ghost48『殲士駆動⑥』
ここから熱いバトル。まさに、
時破田心裏の好きな漫画のような。
〔延弾水式雷斬はだめだ〕
〔相手が格上な以上、こちらにインターバルがあるのはまずい。本当にまずい〕
〔なら…〕
「『増』弾『剣』式『無』斬!!!!」
「!」
〔ひとつ…剣を飛ばしただけ?〕
〔こんなの避けたらいい話じゃん〕
避ける。剣は後ろの壁に突き刺さる。
しかし『増』える『剣』の本領はここから、
今投げた一つの剣にはまた能力がある。
それは『何かに当たると無限増殖する』。
ここはまた別の元体育館。だからたとえ、
壁に刺さった剣が複製され、
複製されて下に落ち衝撃を感知して複製され、
複製のスピードが上がり続けても、
全てを埋め尽くすまでには時間がある。
つまりその間は戦いをする。しかし、
時破田心裏には相手の必死さどころか、
この状況で相手が何をしたいのかわからない。
そして。
彼は散々使ってきた戦法を使ってるだけ。
やはりこの差は無くなることはない。
今度は青白い雷の槍を飛ばす!
右に避ける!
能力発動遅延の球体が右にあった!
1秒待つ!
その間にワイヤーを張り踏んで飛ぶ!
増えているうちの一つの剣をテレポート!
剣が爆発した!
爆風をあいつにテレポート!
しかし姿は見当たらない!背後を確認!
既に雷を纏った剣が作られている!
あまりに大量に飛んでくるから奴を盾に!
しかしこれは『透』弾『剣』式『雷』斬!
なんでもすり抜けて直接あたしに刺さる!
「今だああああああああああっ!!!!」
槍でトドメを刺す!喰らええっ!
「…なるほどね」
「見くびっちゃいけないほどの実力とは…」
倒れかけている時破田は、小指を彼に向ける!
「『百』弾『槍』式『雷』斬!!!!」
「小指だけに…」
「子弾:過焔流星」
ドゴァアンッ!!!!
「ふぅ…手強かった」
「こういう時『テレポーテーション』の有り難みがわかるわ」
「…にしても妙ね」
「A級殲士は50人?いるんじゃなかったの?」
「ええおります」
「しかし確かに妙にございますね」
「まさか皆さん怖気付いちゃったとか?」
「いいやちがうよ☆」
「!」
長身に子供のような言葉遣いをする彼女は、
明らかに強いオーラを放って奥から出てきた。
「おじけづいたんじゃなくて、かしこいんだよ」
「さきにネタバラシしちゃうとね」
「わたしがA級ぜんいんのちからを預かった」
「そしてそれがわたしののうりょくだよ」
「へえそう…」
「じゃあさっきの様には行かないね」
「…負けるのは嫌だし」
「解放しますか封印能力!」