ghost42『魔法少女きららと仲間達⑤』
「…」
「魔術を3つに分けた時」
「魔法、黒魔術、奪魔術となる…ってやつね」
「ええ」
「奪魔術によって出来たのが魔法少女」
「能力は基本、他人の魔力を勝手に使う…」
「そう、だから生贄が要る」
「そして」
「この子がその生贄、アミちゃん」
確かに植物人間。
ベッドに眠る彼女は、少し苦しそうに見える。
これがアミちゃん。なるほど、
生贄の鏡のようだ…
「…」
「警備は大丈夫?」
「貴女が全員吹っ飛ばしたんじゃない」
「あ、そうだったね」
「…で、呪縛かなんかを壊せばいいの?」
「ここには無いみたいだけど」
「それともこのチューブを抜いたら終わり?」
「…」
「リリー、貴女に生贄になってほしい」
「は?」
「だってそうするしかないじゃない」
「生贄がいなくなれば、この街の人間は死ぬ」
「一瞬で」
「それぐらい依存してるのよ」
「生贄制度は無くせない」
「だからリリー、魔力を頂戴」
「貴女なら植物人間にはならずに済むわ」
「悪いけどそれは出来ない」
「!」
「やっぱりね…」
「まあ、そんなモンだと思ってたわ」
「人助け部とは言っても、自分が一番」
「そうじゃなくて」
ギュオオオオオオオオオオオオオオ…
「⁉︎」
「ちょっと!そんな量一気に供給したら!」
「死なないよ」
「封印能力者はみんな魔力無限だから」
「…!」
「悪いけど」
「私には私の青春がある」
「ここで寝てるわけにはいかない」
「だけど、たまにきて魔力はあげるわ」
「こんな風に」
朝風きららは、とんでもないものを見た。
篠宮アミには一生かかっても無理であろう、
膨大かつ爆大な魔力を。
「こ、こんなの…こんなのって…」
湯水のごとく使っても、
向こう100年間は心配要らないほどの魔力。
「か、解決した…」
「これが封印能力者の力…」
「さて」
「じゃあ、続きをしましょうか」
「え?」
「この子が起きるまで暇でしょ」
「ほれ、万全の状態でやってみな、さっきの」
「…わかったよ」
擬似時間停止!!!!
す、すごい…
この技、際限無く魔力を使っていいなら、
こんなに強かったんだ…
解除
「…よし」
「その感じなら大抵の奴には負けないでしょ」
「シャイニングなんとかの実力は知らないけど」
「まあ、大丈夫ね」
「あ」
「…どうしたの」
「ごめんなさい、忘れてたわ」
「何を」
「…この魔法界以外も」
「シャイニング・オーダーは契約してたって…」
「どゆこと?」
「えっと、つまり」
「時破田心裏とシモン・ルイスにも招待状が」
「…マジ?」
「あいつら、時間稼ぎしてんの?」
「さあ?」