ghost40『魔法少女きららと仲間達③』
…ではないけれど…
やれやれ、なんなのこの子は…
でも封印能力者とは言っても、
大魔法少女きららことこの朝風きららの
『擬似時間停止』にはついてこれないようね
過剰に早く動く思考と、
異常に速く動く肉体と、
キューティーな力で時間停止を真似…
「おお、すごい」
「あまりにも速いと周りが止まって見えるんだ」
「‼︎」
い、今…⁉︎
リリー・シエルの声⁉︎
いや、確かに奴は今そこで硬直してる‼︎
ってことはまさか…
今届いた声⁉︎じゃあ、リリー・シエルは…
私がこれを使う前から時間停止していた⁉︎
ば、馬鹿な…
これは時間停止という能力じゃない!
私視点でそうなっているだけで、
ただ私が速く動いているだけ…
ぐっ…限界…
「…まあこれに気づけるのは時間系の能力者だけなんだけどね?時間停止は世界がいる時間軸の場所を固定できる能力なんだよね…だから例え格下でも同じ筋の能力者なら邪魔できちゃう」
「そんな中」
「勝手に時間停止と錯覚するあなたは」
「極めて正しい」
「時間が止まってみえるほど速く動く思考と肉体なんて力をどこで手に入れたかは知らないけど…」
「全く、冬空君みたいな万能型ならともかく」
「身体強化で私から3%も引きだすなんて」
「『溶解』」
「はっ」
「まさか…また時を止められていた…!」
「違うよ」
「私は時間を固定するんじゃなくて凍結する」
「まあ、概念を吹っ飛ばしたのよ」
…くっ…そんなの無しでしょ…ヤバい…
まともにやって勝てる相手じゃない…
でももう一度!
私はみんなの魔法少女だ!だからできる!
「『擬似』…」
時間停止!
血を吐く。魔法少女らしからぬ光景。
いや、昨今のギャップブームからすれば、
魔法少女らしい光景かもしれないが。
擬似時間停止は賢い選択だが、
リリー・シエルは『強い』とは思っていない。
何故なら致命的な弱点がある。そう、
体への負担がえげつない。…しかし、
魔法少女は献身的に…とおばば様言ってた…
私はここで負けるわけにはいかない!
シャイニング・オーダーの計画が成功すれば
アミちゃんは助かるかもしれない
否。
…利用だ
利用利用利用利用利用利用利用利用利用。
もうアミちゃんを助けるには、
出来上がった奴らの力を乗っ取るしかない!
「…そのアミちゃんってどなたかな?」
「!」
げ、限界…もう来てたのか!!!!!
くそ…このままじゃあ…って
え?
「アミちゃんって子がどうしたの?」
「助けなければって言ってたけど」
「…」
「もしかして…ちょっとわかってきたかも」