ghost35『俺達はシャイニング・オーダー❸』
「さて。妾が要求することはたった一つ」
「攻撃手段を手に入れてほしい」
「…でもよ」
「前にリリーと時破田に聞いたんだけど」
「俺は異能の適正が丸っ切りないらしいぜ」
「うむ。そうじゃな」
「だから魔法や超能力は無理じゃ」
「しかし。」
「天影の里には『霊技』という力がある」
「…霊技?」
「うむ。まあ、そのへんは後で詳しく言うが」
「つまりはお主にも攻撃手段ができる」
「!」
「『傷つけても殺さない』」
「そのスタンスはそのままで良い」
「だが、今のお主は貧弱すぎる」
「敵に回す人物が多いにも関わらず」
「異名も偉業もあるくせに」
「どうして敵は増える一方なのか」
それはずばりお主が全く威嚇しないからじゃ!
「…ぐうの音もでねえな…確かにその通りだ」
「これから4組5組と相手取るに当たって…」
「確かに俺は、弱すぎる。」
「ようこそ、天影の里へ」
「「「!!!!」」」
「私は『地上代表』のタマエと申します」
「以後お見知り置きを…」
「はい…」
「そして…」
「雷ちゃん、麗美ちゃん、時雨ちゃん」
「よく帰ってきたねぇ」
「どうも…」
さらっと本名晒された…麗美って呼ばないで…
どうも苦手なんだよな婆さんは…
「雷奈は偽名じゃ」
「本名はキャサリンじゃ」
「…婆さんあんた」
「霊技ってやつで体おかしくなったのか?」
「!」
「なんか、普通じゃないよ…な?」
「いやいや、あくまで推測なんだけど」
「もしかして『変質』したのかな…なんて」
「ほほう」
「罠を雷ちゃんに任せていたから」
「てっきりろくでもないのかと思ったら」
「おほほ」
どろんっ
「!」
「『化け猫』に変質したことがバレるとは…」
「いいでしょう、ついてきてください…」
ーーーーーーー
「くれない、やはりわかってしまったのう」
「?」
「本当だぜ、確かにお前に適正は無いよ」
「どういうことだ?」
「異能の適正がある人はわからないんです」
「つまり俺は本当に適正が無いと」
「でも良かったですよ」
「『霊技』はそういう人間の方が向いてます」
ーーーーーー
「つきました」
「ここが村の本部です」
「では、雷ちゃん達は鍾乳洞へ」
「えー…紅さんはこちらへどうぞ…」
「じゃ、後で」
まさかの竪穴式住居。でも広い。
「…」
「ここが本部ですか」
「で、それで、なんで俺だけこっちに…?」
「それはですねぇ」
ゴギッブジャッメザンッ
「…いきなり『挑戦の間』だなんて」
「薙紫さんは大丈夫でしょうか」
「うーん大丈夫であろう」
「挑戦の間は多対一のサバイバルじゃが…」