ghost32『ふゆりんとかわいい私⑱』
セルフセンタードヘルヘイズ!
セルフセンタードホールホールド!
セルフセンタードマッドマター!
セルフセンタードミッドナイトミリオン!
セルフセンタードムードムース!
セルフセンタードメイトメジャー!
セルフセンタードモードモルモット!
セルフセンタードヤードヤングズ!
セルフセンタードユナイテッドユニゾン!
セルフセンタードヨーデルヨルド!
セルフセンタードライトニングラッシュ!
セルフセンタードリヒトリスト!
セルフセンタードルークルージュ!
セルフセンタードレイクレーザー!
セルフセンタードロックロード!
セルフセンタードワーストワルキューレ!
全身全霊と言えば聞こえは良いが、
幼馴染の全身を全霊にできるであろう一撃、
それがこうも容赦なく放たれると、
当然、全員引く。
そしてそれと同時にこうも考えた。
あれはなんだ。いや、そんなことより、
人間は一週間であんなに成長するのか?
そのくらいそれは酷かった。
今の彼が放ったのはまさに必殺技。
普通に魔法だけでバトルするなら、
あれから逃れる方法なんてないし、
相殺できる威力なんてほぼ存在しない。
間違いなく今の彼は、
人助け部の知る『異能力者』の中では最強。
言うなれば封印能力者に最も近い能力者。
彼はただの青年から、
ただの凄惨になっていた。
「‼︎…な、なんだよあれは…」
「私にもわからない…なにあの威力…⁉︎」
「おお、これはびっくりじゃ」
「才能が爆発したようじゃのう」
「そんなレベルか…⁉︎」
「…なんにしろ」
「これで私の勝ちのようねクレナイ」
「ちょっと後味悪いけど…」
「…」
いや…まさかな…お前は負けないよな?
夏枷!俺はお前をそんな体たらくにする為に育てたんじゃねえぞ!…
…さっきの剣が修行の成果なら…
夏枷はまだ負けてないはずだ!
「…ユーカ…僕の勝ちだね」
「弱い奴にしたんだけど…」
「痛かったよね、ごめんね」
「でも大丈夫」
「ユーカが感じる痛みはそれで最後だよ」
「これからは僕が守る番だから」
「待てよ」
「!!!!!!!!」
「ゆ…ユーカ…2人⁉︎」
背後に、もう1人の夏枷遊華が。
「や、やはりあれを完成させてたか!」
「勝負はまだ決してないよ ふーゆりん」
「だって今あんたが倒したのは分身だから」
「分身って…そんなわけない!」
「分身を召喚したなら魔力反応がする筈だ!」
「召喚…?違うわね」
「召喚じゃなくて『構成』したのよ」
「…⁉︎」
「全く自分を作るなんて、大変だったわ」
「今なら解体新書が書けそうね」