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ghost30『ふゆりんとかわいい私⑯』

「ユーカ、そっちはどうだった?」

「楽々の楽チンだったよ…しかしふゆりん」

「随分自信があるみたいだね」

「うん…」

「できるだけ傷つけないように頑張る」

「…は?」



「耳を貸すな夏枷」

「どうやら今のあいつは相当ヤバい」

「その…精神的に」

「多分能力に『当てられたんだろ』」

「…ねえ、答えてよ」

「ん?」

「噂ではあいつかなり強くなってるらしい」

「…私は勝てるか?」


「…逆に聞くがお前は本当に勝ちたいのか?」

「!」

「お前は何かを欲しているのか」

「そんな風には見えないな…」

「…私は」

「いいか夏枷、これが最後の助言だ」

「お前に覚えておいてほしい言葉がある」

「…」


「真の最強は優先される必要がない」

「後回しにされて勝てる奴が真の最強だ」

「ま、参考にしなくてもいい」

「あの!薙紫紅!」

「なんだ」

「あ、ありがとう!おかげで…」



「負けずに済みそうだ!」

「行ってくる!」



 …そう。お前は勝利を欲してなんていない。

 ただ負けたくないだけ。


 敗北なんて絶対に嫌だ


 醜く足掻け


 醜く足掻く!


 ーーーーーー


「『弱肉強食(キラージデスモール)』」

「だっさい魔法名でしょ?でもこれは私の誇り」

「ふゆりん私はお前に勝つよ」

「…そう」


 私にはわかる

 今の椎名君は夏枷ちゃんより強い!

 それも圧倒的に!

 実力は同じでバスケをする時

 30センチの身長差があるみたいな感じ…

 このまま行けばおおよそ負けそうにない

 それぐらいの実力差がある

 そう、クレナイが何もしてなければ…

 チラ

 でもあの表情

 何もしてないわけないでしょうねぇ



「…僕のは沢山あってね」

「でも全ての技の前にこう付けている」


「『天変地異セルフセンタード』」

 ドオオオオオオオオオオオオ!!!!

 全属性魔法の融合。見た目は、

 ドリンクバーのジュースを全部混ぜたあの色。


「!」

「自分勝手っていう意味だよ」

「ユーカ、君は弱肉強食かもしれないけど」

「それに乗るかは自分で勝手に決める!」

 来る!

「『セルフセンタード…バロンバースト』!」


 ドゴッ



「…?」

 なんだ?今の…防御は貼っていたのに…

 鈍器で…殴られたみたいな…?

 そしてバロンバーストはどうした⁉︎

「!」

「そ!その剣は一体…⁉︎」


 醜く醜く醜く醜く醜く醜い剣。かと思えば、

 綺麗で綺麗で綺麗で綺麗な剣。


「…薙紫、すまない」

「?」

「私は醜くても正々堂々と負けたくない!」

「…色々混ざってるが混沌としてていいね」

「剣も」

「教えた事以上をできてるじゃん」

「しかし…よそ見はしない方がいいぞ!」

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