ghost23『ふゆりんとかわいい私⑨』
「じゃ、後は自主練な」
「えっ」
「見ててくれないのか?」
「クレナイだけに?」
「いやそんなことは言ってない」
「…見てたってしょうがないだろ」
「もう俺から教えられることは何もない」
「…わかった、じゃああとは貴様に頼らず、」
「自分の力でやってみるよ」
「ああ。とことん堕ちて、醜く這い上がれ。」
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〔フェーズ3・かぐや姫〕
「向こうはもう終わったみたいね」
「自主練に入ってるわあの子」
「え」
「まだ3日目ですよね!?」
「さすが夏枷ちゃんって感じね」
「あの子の事はてんで知らないけど」
「…でも貴方には関係ないわ」
「よそはよそうちはうち、」
「おにはそとふくはうちよ」
「じゃあ、威力も出るようになったし」
「今日は無理難題にチャレンジよ」
「…」
いったいどんな…!?
「龍の頸の玉」
「仏の御石の鉢」
「蓬莱の玉の枝」
「火鼠の皮衣」
「燕の子安貝」
「これらを今日中に持ってきなさい」
「…それってかぐや姫の…」
「は、や、く、」
「は、はい!」
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「無理難題は無理なんだい」
「多分レプリカを作ればいいんだ」
空想上のモノを持ってくるなんて事ができるのは時破田さんぐらいだから…
「いやー楽しみだなー」
しかし彼女はリリー・シエル、みんなが勉強してる間に遊び、遊び、遊んでいた女である。
「まあ、心裏ちゃんもやってたし」
「いくら遠くにあってもあの風のジェットがあれば大丈夫でしょ」
「無理難題とは言いつつも簡単だったかな…?」
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「シモン君は若いからのう」
「双六なんて知らんじゃろ」
「知ってます」
「なんと…ではコマは?」
「知ってます」
「メンコは?」
「知ってます」
「ほぉー…昔のことなのによく知ってるのう」
「そんなに昔じゃないですよ?」
「ふふっなら妾もまだまだ若いのかのう」
「では早速実践じゃ!」
「…でも双六も独楽もメンコも無いですね」
「あるのじゃ!ほら!」
「何故ポケットにそんな物が」
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「お二人とも、助けてください…」
「ん?お主は確か全属性の…」
「どうしたんですか?」
「リリーさんが無理難題を…」
かくかくしかじか
「うむ」
「では、どうすればよいか?」
「はい」
「なんとかしてレプリカを作りたいのです」
「そんなことをしなくても良いではないか」
「…え?」
「リリーに師事してるようじゃが」
「別に全てを聞く必要は無いのじゃ」
「妾らの力を使えばもっと楽に強くなれる」
「…!」
「回りくどい修行は必要ない」