ghost19『ふゆりんとかわいい私⑤』
「お、おまたせしました…」
「いいえ、時間通りできたようね」
〔これで…どうだ!!〕
「昼食はこちらになります!」
ホワイトソーススパゲッティ
《《《大量金箔コーティング!》》》
「…‼︎…」
「ま、まさか…」
「はい、頑張って錬金の魔法を会得しました」
「錬金って…!魔女でさえ無理だったのに!」
「『僕』が今初めて作りました」
「…⁉︎」
「…ええ…?」
…でもこれは一つの正解例ね…
にしても錬金って…
これじゃあ錬金術師の職を奪うことに…
ってそんなことはどうでもいい!
…この椎名冬空…
確かに『秕』だわ
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「わ、私もその『達成使い』になりたい!」
「無理だよ」
「…貴様、それはどういうことだ!」
「私ではなれないというか!」
「なれないねぇ」
「達成使いはなりなくてなる物じゃない」
「なりたくなくてなる物だ」
「そして戦闘用なんてかなり珍しい方だぞ」
「普通に地獄を味わうだけじゃあ、ダメだ」
「…まあ要するに無理だしメリットが無い」
「魔女の方が良いと思うぞ色々便利そうだし」
「…ダメだ」
「私はふゆりんより強くないといけないんだ!」
「そうじゃないと私はただの下位互換なんだ!」
「…そういうなよ」
「女なんているだけで価値があるんだからさ」
「わざわざ醜くなる必要なんてないって」
「それともなにか?」
「醜くても勝ちたいと?」
「醜くても勝ちたい!」
「よろしい。君は醜くなんてない。」
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「…でも不合格よ」
「えっ…」
「あなたは料理の根本がわかってない」
「『これ』を『食べたい』とあなたは思う?」
「…!」
確かに…
しまった…意外性に気を取られていた…
金箔コーティングどころか、
これじゃただの金!
「…まあ、そういうことね」
「あなたは甘い」
「努力すれば報われると思ってるし」
「才能は活かせるものだと思ってる」
「頑張れば勝てると思ってる…違う?」
「…はい。そう、思っていました…」
「あなたじゃ、強くなっても勝てない」
「夏枷ちゃんには勝てない」
「!…」
「とりあえず修行は続けるけど…」
「どうする?目標は」
「諦める?」
「私には無理だと思うけど」
「…それでも」
「それでも勝ちたいです!」
「なんで」
「そんなに夏枷ちゃんに勝ちたい?」
「はい!僕は成長したと思わせたい!」
「オーケー。そんな貴方なら甘くてもいい。」
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「そういえば最近気がついたのじゃ」
「?」
「封印能力者は全体的に背が低い」
「ほんとですね」