ghost17『ふゆりんとかわいい私③』
「まあお腹空いたんだかど頑張ってこ」
「じゃ、見せて、最大威力」
「…」
「早く」
「…はい…」
「…失望しないでくださいね…」
「早く」
「…【ファイアボール】!」
ポッ
「…」
「ふざけてんの?」
「ふざけてないです!」
「ろうそくじゃん、何それ」
「…ですから…」
「まあわかったわ」
「あなた炎使いなのね?じゃあ…」
「あ、いえ、僕は」
「全部ちょっとずつ…」
「…え?」
「…え?」
ーーーーーーーー別の場所
「あいつは全属性の魔法使いだ」
「全ての属性を使うというのは実は凄いことでな、魔法発足以来、英雄にしかできなかったことだ」
「ただし弱くて小さい…」
「…そうか、でもそんなことはいいんだ」
「お前の自己紹介をしてくれる?」
「おっと、すまない」
「夏枷遊華と言う」
「属性はさっきの通り炎、風、闇」
「…で、そちらは何を教えてくれるんだ?」
「お前もここじゃ弱いということ」
「…上等…」
ーーーーーーーーー
「炎はロウソク程度しか出せず」
「水は水道と変わりなく」
「土は地面から取った方が早くそして多く」
「風は扇風機にすら負け」
「光は豆電球並み」
「闇は影より薄い…」
「他派生系も使えるには使える…けどねぇ」
「これはひどい」
「…ですよね…」
「僕なんかいつまで経っても…」
「幼馴染の女の子にすら心配されちゃって…」
「…」
「そんなに卑屈になることないわ」
「魔法は努力で伸びにくい…仕方ないことよ」
「ひどいのはあなたじゃないわ」
ゴクリ
「こんな才能を放っておいた魔女村よ…!」
リリーは目をキラキラさせていた。
「…怖いですよ…」
ーーーーーーーーー
「でも何していいかわからねえな」
「…よし」
「じゃあさ、とりあえず俺を殺そうと」
ドオオオオオオオオオオオオオッ!!
「…おいおい」
「うーむ。不意打ちでも駄目か」
「…いやまあ俺を殺そうとしてみてって言うつもりだったけどさ」
「まあいいや、今日はその調子で」
ドオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
ーーーーーーーーー
「…じゃあさ、お昼ご飯作って」
「お昼ご飯…ですか?」
「もちろん魔法を使ってね」
「そうね…洋食ならなんでも」
「はい!がんばります!」
「…」
ちょっと待って
これ普通の料理じゃ駄目だ
気づいたようね
そう、シエル家は魔女村の分家でNo1だった…
私はそこのお嬢様。
下手な料理を出せば本来殺される。
しかし私の両親の犯した大罪によって権威は地に落ちた…つまり
良すぎる料理を出すと皮肉と取られる。
ー
俺との実力の差を知ってもらう。