ghost15『ふゆりんとかわいい私①』
ー魔女村日本支部、10年前ー
「…じゃあ、2人の日本での名前は直訳して…」
「夏枷遊華ちゃん」
「椎名冬空くんね」
「…じゃあ…ふゆりんだね!」
「そっちは…ユーカ?」
ー現在ー
「じゃあ行ってきます!おばば様!」
「はい。行ってらっしゃい。」
バタン
「…しかし残念ですねぇ」
「…でも2人なら大丈夫でしょう」
「ふふ…寂しくなりますねえ」
「あの子達が来た頃は…」
「『フランスの本場からとんだ化け物がやってきた!』なんて思いましたがねえ」
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All VS windfiredark
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ー人助け部部室(旧第2音楽室)ー
『恒常性-ホメオスタシス-』
『終劇』
「…なんかすごかったね」
「PVからは予測できない面白さだったね」
ひと昔前の映画、恒常性ホメオスタシス。
なんと13作もある大人気シリーズ。
『最後の最後でクソのような展開になる』
という内容のpvだったが、
クソ面白い内容であった。
「…ていうかお前らさぁ」
「いくら封印組の特権とはいえさ」
「映画館に行かずに映画観れるっていいな〜」
「いや私達は本当は映画館で見たいんだよ」
「でも理事長がさ」
“なら連絡して学校で観れるようにしよう”
「って部活廃止書をひらつかせながらさぁ」
「あーなるほど」
「…金は?」
「払ってるよ」
今日は土曜日である。そしてイベントも無い。
つまり時間はある。リリーは暴走する。
リリーは隙あらば楽しいことをしようとする。
今日は時破田と映画鑑賞会だ。
「まあ暇とはいえ」
「平和が一番だよなぁ」
ドガァアアアアンッ
「…もうなんなんだよもう」
「もう!」
ー校庭ー
しかし平穏が潰されることには慣れている。
俺は音源の方へ向かっていった。
そこで戦っていたのは、
白湯奈レミと近藤いつみ、
そしてもう1人…
炎の竜巻を起こしている女。
扇子を持っている。そして、
リリーから聞いた魔女村での話から考えると、
どうやら魔法のセンスも持っているようだ。
『2属性同時使用』は中々できないらしい。
まあでもそんなことは知らないな。
…ん?
「ふーむ。貴様らで5番手か!」
「なかなかやるではないか!…しかし!」
「『扇奥義・霞黒羽!』」
「!」
「あれは風と炎だけじゃなく闇属性まで!」
「…魔女村でもそれなりの実力者らしいな…」
ドゴオオンッ!!
「「きゃあああああ!?」」
「うーむ、中々良かったぞ貴様ら」
「しかしこれで襲撃は終劇だな!」
「《伏せ。》」
「!」
「貴様は」
「《伏せ!!》」