ghost3『レゾナンス・デスギア③』
「いや、それは無いだろ」
「どんな意味を持っているにせよ!」
「機械人形だろうが魔法人形だろうが!」
「意思あるモノが俺から逃げられるわけが」
「…クレナイ、わかったんじゃない?」
「まさかあいつ…」
「サクリファイス…『生贄』…⁉︎」
「まあともかくじゃ」
「それを聞いちゃ黙っておれんな」
「いいじゃろう」
「封印能力『サバイヴリンク』で獲得した絶級能力を五つともフル活用して世界を500回くらい作り直してでも彼を作った『元凶』を見つけてやろうぞ!」
「…まあそんなことをせずとも」
「僕はここにいるよ」
「…」
「えっ⁉︎」
「し、シモン・サクリファイス!」
「いいや、僕はその兄『シモン・ルーラー』だ」
「弟達は僕を支配者と呼ぶ」
「僕は弟達を生贄と呼ぶ」
「い、いつからそこに…」
「…なんだか知らねえが…わかったぜ!」
「お前は自分のクローンを作って利用してるんだな!だから意思も無いし…」
「お前をぶっ倒せばいいんだな!」
「わざわざ敵陣に突っ込んできやがって!」
「ここがお前の墓場だ!」
「違うよ」
「君らはなんか勘違いをしている」
「まあまずはともかく」
「『絶対零度』『テレポーテーション』」
「そして『数えきれない異能』を片付けてくれ」
「そんなに僕は警戒しなくていい」
「そして僕は人助け部にお願いがあってきた」
「支配者…つまりシモンの代表として」
「…?」
ーーーーーー
たすけて…
痛いよ…
博士…もうやめてください…
このままじゃ僕は…死…
「死にません」
「全くうるさいガキだ」
「しかし痛覚は残さないと実験にならないしな」
「はか…せ…」
「煩わしい!黙れ生贄が!」
ーーーーーー
「…それって…」
「ああ」
「君の言った通り僕達はクローンだ」
「しかし普通のクローンではない」
「僕らが生きる目的なんてないし」
「僕らは無価値だ」
「博士の実験で生まれた副産物に過ぎない」
「自我がはっきりしているのは僕だけだ」
「…わからないな…」
「生きる目的なんてない…かもしれないが」
「その博士とやらに酷い目にあってるんだろ?」
「ああ」
「それも君の想像通りだ」
「じゃあその弟達を助ければいいんだな?」
「…」
「いや、助けてほしいのは1人だけだ」
「…これはよく聞いてほしい…」
「俺たち2人は今脱出作戦を考えている」
「ほう」
「ルーラーと残った最後のサクリファイスだ」
「他は死んでしまった」
「…そうか…」
「…だがお前は脱出できてるじゃないか」
「その残り1人を連れてこれなかったのか?」