scrum35『禁断を追え⑥』
「でも、神が絶対なら『絶対行使』で消せる」
「いいや消せんな」
「なんで?」
「お主は神が人間に負けると思うのか?」
「…いいや…」
「人に思いつくことで神は超えられん」
「…ということじゃ」
「しかしそんな中『未来潰し』は神にとっての埃カスぐらいにはなれる」
「もっともガティアには無理じゃが…」
「…なんかわかんねえけど」
「すげえんだな、その人」
「ああ、すごいとも…」
「まさか、自分の妹に殺されるとは思ってなかったろうに…妾が弱かったせいで死んでしまった」
「妾があやつを戦場に来させたのがいけな」
「いや、それはないな」
「え?」
「それ、多分お前を庇ったんだよ」
「…!」
「そのガティアって人には会ったことないけど」
「多分こう言ってるぜ」
「おいふざけんなよ!」
「いつまでくよくよしてる!」
「俺の分まで生きてくんねえの⁉︎」
「って」
「…ふふ、そうかもしれんのう」
〔そうか、くれない〕
〔お前はどれだけ狂っていても〕
〔…ちゃんと人間なんじゃな…〕
「これはほっとけない」
「え?」
「それと全く同じセリフをガティアが言った」
「その日に死んだ!」
「‼︎…」
「くれない」
「妾はお主を守る」
「ガティアならきっとそうする!」
「お、おう、頼んだぜ…」
ーーーー
と、このように、
人助け部に4人目の部員が誕生した。
名はキャサリン・ヴァルキューレ。
金髪にかんざしをした少女である。
そんな中俺は、
帰りの飛行機の中で考えていた。
もしかして、自分は今とんでもないことに巻き込まれているのでは?…と。
どうせクリムゾンからは逃げられなかった。
その言葉で済ませられない程の大惨事が、
迫っているのではないか…?と。
まあ例えそうだとしても俺はどうしようもない。
何かが起こったとしても本気を出すだけ…
しかし。
戦力が足りないのは確かだ。
男女比も1:3でバランスが悪くなってきたし…
リリーには反対されたけど、
いっちょ行ってみますか、
幽霊部員シモン・サクリファイスの家に!
〈異常身体五感能力保持者クラス/終わり〉
ー理事長室ー
「よくやってくれた…本当に…」
「今年だけは…今年だけは温存しなければ…」
「…『奴』を追い払えない!」
→next・神影編
薙紫紅は、
戦力を補給しながら青春を送る事にした。
時は流れ、
夏休み1日目 7/21(土)
彼は家を訪ねていた。
キャサリン・ヴァルキューレ
キャサリンに特に意味は無し
ヴァルキューレは
ヴァルキリーとワルキューレ