scrum33『禁断を追え④』
「負荷能力より強いのはそれが原因じゃ」
「なにせ『定め』じゃからな」
「『呪い』より強いってわけか…」
なんかもうゴチャゴチャになってきたな…
つまりえぇーっと…
努力で身につくのが『技術』『覚醒』、
それのダークバージョンが『殺人術』、
才能で身につくのが『異能』、
その中でも強いとされるのが『封印能力』、
身につけたくない呪いが『負荷能力』、
生まれた際に定められているのが『絶級能力』、
生まれた後困難を克服し続けて身につくのが、
『達成』。ただし、
達成使いは達成以外の力が必然的に弱くなる…
俺は4000人と戦ったのにフィジカル面が全然成長しないし、キャンディ先生はびっくりするくらい背が低い。
「で、キャサリンがそうだから追われるのか」
「まあの」
「全く鬱陶しい話じゃ」
「…妾の能力は」
「いわゆるアイデンティティを奪う能力じゃ」
「だから…」
「だからなんだよ」
「天角学園には帰るつもりは無い」
「…お前さあ」
「随分傲慢だな」
「え?」
「いやさ、考え方がさ」
「…」
「お前今こう思ってるだろ?」
「『妾はたくさん達成使いに会ってきて、戻ってこいとも何度もいわれた。だからきっとこの薙紫紅だって天角学園に呼び戻してくれるだろう…』」
「くっ」
「くくっ」
「それを本気で言っておるのか?」
「だとしたらお主が傲慢ではないか!」
「妾が天角学園に居たいなどといつ言った?」
「いいや、思ったことすらないぞ!」
「本当に?」
「本当じゃ」
「確かにあの場所には思い入れがあるが」
「お主らに友情を感じたことなど微塵も無い」
さて
こっからじゃな
達成使いの悪い癖が出る頃じゃ
悪い癖、それは、
『上から目線』じゃ。
…妾は学園全体に記憶消去をかけた。
今までと同じように。
朝登君を除けば、
記憶消去が効かないのは達成使いのみ…
さあ、くれない、
「『君はやはり妾を失望させるのか?』」
「…‼︎」
「だろ?」
「なあキャサリン・ヴァルキューレ」
「『それが傲慢なんだよ』」
「『その考えが!』」
「…」
「安心しろよ」
「誰も…3組でさえ誰も気にしちゃいない」
「天角学園に戻って来い。」
「でないと、そのうち痛い目に会う」
「クリムゾンからは誰も逃げられない」
「それはお前も同じだ」
「…ふふっ」
「やるではないか…」
「だけどそんな呪いを理由に帰るとでも?」
「別にそんなことは言ってない」
「ただこれから友達になる奴でも…」
「女でも…」
「俺は頬が削れるまで殴るぞって話だ」
「…参った」
「そして合格じゃ」