Chapter10『達成使いは夢を見る⑩』
必ず『背後に行こうとする』
バギィッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ
「…!」
「うぐおああああああああああああああ⁉︎」
クレナイの蹴りが炸裂する。
思いっきりみぞおちに。
因みに彼の蹴りはさほど強力ではないが、
『不意打ち』だったので効いたようだ。
「ゴホッ…ガッ……」
「…このクソガキいいいいいい!」
「やっと姿を現したな生活指導の美樹先生よぉ」
「さあ、リリー・シエルの入る予定(笑)の『檻』とやらがどこにあるのか吐いて貰おうか」
「誰がお前になん…ガハァッ⁉︎」
拳を叩き込む。
「図に乗るなよ敗北者」
「あんたさっき『目潰し』の攻撃してたよな?」
「はぁ…⁉︎」
はっ
顔を潰す為に…顔に軌道が行っていたのか!?
「相手の目を潰すつもりできたんなら」
「逆に自分の目を潰されても文句は言えないよな」
「ちょ、ちょっと待て!」
「何?」
「つ、『都賀生命』だ!」
「同じ生活指導の『都賀生命』が檻を持っている!」
「ありがとう」
「でも先生、早く逃げた方がいいかもね」
「…」
「盗聴器がほら」
机の引き出しの側面にそれらしきモノが。
「えっ」
「先生一応天角学園の裏切り者なわけだから」
「そらそら、早くステルス着て逃げれば?」
「う、うわぁあああああああああ!」
教師 美樹巴 は勝手ながら退職させていただきます
理由『すみませんでした』
という紙を残して美樹巴は去って行った。
2分経過。
撃破によりクリムゾンの能力が再発動する。
次は都賀生命とやらを倒す。
経験則から言って、檻は多分檻の形をしている。
檻って名前のなんらかが檻でしたー!ってのは、
今の時代もう無いみたいだ。
ここ数年そういうのは見ない。
…しかし女子高生1人入れる巨大な檻を、
都賀生命とやらが持っているのか?と考えると、
なさそうだ。となると次に考えるべきなのは…
「…都賀とやらが生活指導になっている理由…」
美樹巴の方はとても納得できた。
だって水ほど便利なモノはない。
殺すのに。
この学校で生活指導が行われるとしたら、
それこそエスケープの時ぐらいだろう。
つまりは
『封印されているとはいえ世界崩壊が可能な能力者』
と戦える者でないといけない。
…リリー・シエルは刻印1つで
『能力の効果が半減されていた』が…
都賀生命は何かを察知した。
そして感じた。何かに捉えられるような感覚を。
「これが…クリムゾン…か」