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送り先
ずっとポストに入れ続けられた贈り物が止んだ。告白されて断った後輩の彼女からの贈り物だ。
酷いときは、3日と空けずにポストに入っていて、恋人には怒られるし、本人に伝えても数日後には入れられているし、どうしようかと頭を抱えていた。
帰宅するとドキドキしながら、ポストを開ける。贈り物がないことを確認してホッとする。そんなことを何回も繰り返したある日、偶然彼女を見かけた。彼女の横には、寄り添うように立つ男性がいた。二人の手はしっかりと握られている。
彼に笑いかける彼女の顔は幸せそうで、彼女の想いの送り先は彼に落ち着いたのだ、と思った。彼からの贈り物だろうか。二人の鞄には揃いのキーホルダーがぶら下がっていた。