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君が想う人は
後輩が、叶わない恋に嵌まっている。
想い人に告白をして、やんわりと断られたとは気づかずに、ずっと想いを伝えている。贈り物をする、という形で。
端から見ていれば呆れるほどに、あるいは心配になるほどに、贈り物をするのは、彼に想われていると思っているからだろうか。それとも、たくさんの物を贈れば、いつか振り向いてもらえると思っているのだろうか。彼には、もう寄り添う人が別にいると言うのに。
綺麗に飾り付けられた包みを傍らに置いて、いつものレターセットに可愛らしい丸文字で想いを綴る。
楽しそうにペンを走らせる君を見つめて、どうすれば僕に気づいてもらえるだろうかと考える。君を真似して、僕も君にプレゼントを贈ろうか。