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4 ― 冒険はいづこへ

さてやっと先輩がたの本領が発揮されてきます。

 

「マリーさん、それで今回はどういう依頼なの?」

「それが、今までは全くもって感知されていなかったものすごい高魔力反応が、今日とある城から突然出始めたのよ。調べてみたら明らかに世界の脅威となるレベルの兵器的な何かがあるようなの。」

「なるほどね」


 茜先輩が納得したように頷く。楓さんは少し怪訝な顔をして依頼について掘り下げる。


「でもマリーさんがそこまで曖昧ってことは神の眼のジャミングがされてるってことよね?」

「えぇ、その通り。恐らく転生者だと思うわ」

「うわぁ、やっぱり…」


 転生者という言葉を聞くと優香先輩は何故か青い顔をし始めた。


「転生者っているんですね。」


 私としてはそこに驚いている。


「えぇ、今は規制がきつくなったから少ないけど、少し前まではかなり多かったわ。」


「それじゃ、行きましょ。めいちゃん、衣装チェンジ宜しく!」

「はーい、咲ちゃんは初めてなので今回は前線にはでないヒーラーで。いきますよー」


 茜先輩の一声で明華先輩が人差し指を振ると、全員の服が淡く光だし一瞬で異世界らしいというかゲームキャラにみたいな衣装へと変わる。

 茜先輩は軽装の剣士、楓先輩は魔術師、優香先輩はなに使いだかわからない戦士、明華先輩と私は回復職のようだ。


「あ、今回は急ぎだから私が色々と力をつかってショートカットするわ。武器も制限しないから好きに使いなさい」


 マリーさんが声をかける。どうやらいつもは制限とかが有るらしい。


「それじゃ、行くわよー」


 え、どうやってと思ったのとほぼ同時に足元に青く光る魔方陣が現れた。また目の前が暗転する。

 また、このパターンかー


 ーーーーーーーーーー


 目を開くと…そこには、黒く禍々しいオーラを放った城がそびえ立ち、私たちはその城の門の丁度真ん前に立っていた。


「え?」

「着いたわよ」

「それじゃ、行きますかー!」


 茜先輩が意気揚々と拳を掲げる。


「え、異世界に来て早々ラスボス面的な?」


 思わず、思ったことを口にしてしまった。


『的な』


 全員で声を合わせ、そう言ってきた。いや、嘘でしょ?段階、大事。


「頑張れ咲ちゃん、私も初めてあったときはそんな感じだった。一つ言えるとすれば慣れろ」


 まじすかマリー様、それ以外の方法は無いのですか…


「よし、咲ちゃんも理解したみたいだし、行くよ!」


 そういうと茜先輩の横に何か穴のようなものが空き、その中へ手を突っ込むと剣を取り出した。他の方々も同じように武器を取り出していく。


「頭の中であの穴を作るイメージをすると出来ます」


 どうすればいいのか困っていると明華先輩が教えてくれた。


「同じように穴に手を入れて武器をイメージするとマリーか私が知ってる武器の中でもっとも近いものがでてくるの。」


 言われた通りにやってみると、本当に穴を作って中から武器を取り出すことができた。

 私が取り出したのは上の方に青いクリスタルのついたいかにもなロッドだ。


「よし、優香宜しく~」


 茜先輩がそう言いながら少し下がる。他の皆さんも下がっているので同じように下がっておく。


「はいー」


 優しい返事と共に優香先輩が例の空間から武器を取り出す。

 出てきたのは慎重くらいのサイズの斧だった。巨大な斧をバトンの様に軽く振りまわしたあと、刃を地面に突き立てる。


「さて、どうしましょうか。ここは軽く吹っ飛ばせばいいですね」


 ふわっとした口調でそう言うと、とても重そうな斧を軽々持ち上げ体を軽く捻り斧を構える。


「えいっ!」


 可愛らしい声と共に降り下ろされた斧が門に当たると物凄い音を立てて吹き飛んだ。穴が空いたとかではなく、完全に木っ端微塵だ。


「もう少し強度が欲しいですねー、もの足りません」


 そう言うと武器を一度しまい、こちらに戻ってきた。


「あの明華先輩。優香先輩って…」

「あはは…優香は凄く強い攻撃大好きなの…」


 明華先輩に囁くと苦笑いしながらそう教えてくれた。

 今までは凄く優しそうで素敵な笑顔だったのに、さっきのを見たあとじゃ悪魔の微笑みに見える…





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