プロローグ ー できれば人に向けないで下さい
初投稿となります。至らぬところだらけですが、楽しんでいただけたら幸いです。
それは桜の花びらがちょうど見頃を迎えた春の出来事だ。そのとき私は部活動選びの真っ最中だった。
4月から高校生となった私はどの部活に入るか悩んでいた。
(色んな、部活があって迷うなー)
特に運動神経があるわけでは無いので文化部に入ろうとは思っているもののこれといったものは考えていなかったので迷ってしまう。
この学校はわりと生徒数も多くかなりの数の部活がある。部室棟では勧誘に躍起になる先輩と一年生で随分と賑やかになっていた。私もそんな人混みの真っ只中にいるわけだが。
ふと見わたすと、廊下の奥のほうは人が居ないのに気がついた。少し進みその避暑地と化している場所へと行く。どうやらもう一つ部室があるようだった。扉の前まで行き、ドアの貼り紙を見る。
「漫画研究部?なんか人少ないな」
貼り紙には少しポップな字体でカラフルにそう書かれてあった。その部室の前だけは特に人の山が出来ていなかった。
そのときだった。
目の前にドアが開きギィと軽く音がした。扉が開くとそこには誰かが立っていた。
「フリーズ」
そう言った少女はサングラスをかけており、手にはアサルトライフルを持っていた。
黒光りする銃口は私に向かって「ドンマイ」と言っているような気がした。