神様の涙
雨は神様の涙
悲しみの涙だとか喜びの涙だとかは関係ない
神様が泣けば泣くほど、世界は潤った
それを知った人間
時に神様を喜ばせたり笑わせたり
時に神様を悲しませたり悔しがらせたり
蔑んだり
無視したり
いじめたり
騙したり
すっかり潤った世界で、人間は思った
この世界をこんなに良くしたのは自分たちだ
あらゆる生命を自分たちは救ったのだ
我々は世界の救世主
我々は世界の管理者
我々は世界の支配者
我々はこの世界の神
また雨が降った
でもそれはいつもの雨とは違った
赤くて生温い雨
それが最後の雨だった