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プルーム森の吸血姫  作者: 杠葉 湖
第3章 心重ねて
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第3章 心重ねて 4

 館を出た二人は、紅く黄色く化粧を施した森の中を歩いていた。

 風が吹き抜けるたびに、森の木々から葉っぱがひらりひらりと舞い散り、地に色鮮やかな絨毯を作り出す。

「うーん、絶好の散策日よりじゃの」

 リーザは上機嫌で周りの木々を見回す。

 樹木の葉の間からこぼれ落ちてくる日差しがとても心地いい。

「おんしもそう思わんか?」

 そしてリーザは後ろを振り返る。

 しかし、リーザとは対照的に、ルディは不機嫌そうな表情を作ってリーザを見る。

「なんじゃ?随分と不満そうだのう?」

「そりゃそうだよ」

 ルディはぶっきらぼうに答えた。

「なんでボクがこんな服着なくちゃいけないのさ」

「それはおんしの制服だから当然であろう?」

 リーザはそう言って、ニヤリと笑う。

「よく似合っておるぞ。この風情ある景色に溶け込んでおるわ」

「全然嬉しくないよ……」

 ルディはため息をつき、空を見上げた。

 一羽の鳥が、優雅に空を飛んでいく。

「いいなぁ……」

 そして、つい本音が漏れてしまう。

「ん?」

 リーザもつられて空を見上げる。

「ふむぅ……」

 そして思案気な表情を浮かべた後、ルディを見た。

「おんし、空を飛んでみたいのか?」

「えっ!?」

 想定外の言葉に、ルディは驚きの表情を作ってリーザを見る。

「おんしの考えてることなど、わらわはお見通しじゃ。大方空を飛んで楽して村まで行きたいと考えておるんじゃろうが、そうはいかんぞ。おんしは若者なんじゃから、歩いて行かぬとな」

「…………」

 得意げに語るリーザに、ルディは無言になる。

「まぁ、先は長いぞな。ゆっくり語りながら行こうではないか」

 リーザは楽しそうに口が滑らかになる。

(先が思いやられる……)

 ルディは心の中で頭を抱えた。

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