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長野県保護管理施設

 中学の研修で一度だけ行ったことがある刑務所の記憶が蘇った。ここは正にそれと似たものを感じる。所々に拳銃を腰に下げた警察官が立っている。通り過ぎるたびに頭を下げてくれるのだが顔は笑っていない。

 渡辺に連れられ所長室へ向かう。


『所長、桜井様をお連れいたしました』

『ありがとう渡辺、例の場所で待っていてくれ』

『わかりました』


 そう言って部屋から出て行く渡辺。部屋は学校の校長室の様なイメージがぴったりで、部屋の一番奥に所長の大きな机がある。資料を束ねたファイルが山積みになっている。その前には三人掛けソファーがテーブルを挟んで1つずつ並んでいる。


『どうぞお座りください』


手をソファーに向けてどうぞどうぞと招く。


『はい、では』


 父が先頭を切り最初に腰をかける。反対側には所長の藤本が座り、まるで学校の面談の様な形。差し出された飲み物(親はお茶で、俺はオレンジジュースだった)。飲む気にはなれなかったので手はつけなかった。

 藤本は50代ぐらいの容貌に、優しさのある笑顔がとても似合う。小さい子の扱いが上手そうな印象だ。スーツを着ているせいもあるが肩幅が広い。毎日鍛えられているのが一目でわかる。


『長旅お疲れでしょう、まず自己紹介からいたしましょう。えー、私ここの所長を務めております、藤本と申します。どうぞよろしくお願いします。』


 慣れた手つきで名刺を差し出し軽く頭をさげる。こちらも同じく。

名刺には

____________________________________

ST機関 ㊙︎ 

長野県保護管理施設(C camp)


     藤本 真哉

     Shinya  Fujimoto

         ☎︎〇〇〇〇-〇〇〇〇

        FAX〇〇〇〇-〇〇〇〇

       email〇〇〇〇@〇〇.〇

____________________________________


と書いてあった。

 藤本のほんわかとした顔が急に引き締まる。


『いきなりですが、本題に入ります。単刀直入に言いましょう。…ユイさんは無事です』


 頭を後ろから殴られた様な衝撃が走る。

 聞き間違いではない。ユイは無事、生きている。そう思うと緊張から一気に解かれ、歓喜あまって目頭が熱くなる。今は泣いてはダメだと自分に言い聞かせ、希望に満ち目で藤本を見た。


『それでは、私達がなぜユイさんを誘拐したのか。から説明いたします』


 …えっ…?一瞬だけ時が止まった様な気がした。

 意味がわからない。何をいっている、こいつは。


 雨が一層強くなった気がした。

流石に電話番号まで決めちゃうと後々面倒

故に〇〇!

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