表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/23

プロローグ

 バケツをひっくり返した様な雨の降る山道を走る。道は舗装はされておらず、泥でぬかるみ、気を抜くと左の崖に真っ逆さまだ。何度も転びそうになるが、なんとか立て直し走り続ける。

背中からは小さな吐息が聞こえてきた。



(くそ、そろそろ限界か…。)



 俺の体力はとっくに限界を超えていた。何せ、背中に女の子を背負いながら20分も走り続けている。

 諦めるな!と自分に喝を入れ足を動かす。口の中に違和感を感じ、溜まったものを吐き出すと、それは真っ赤に染まった自分の体液。腹に開いた風穴に手を当て、手が血に染まったのを確認する。



(こっちもそろそろタイムリミットが近づいてるな…)



 ついに俺は足を絡ませ転ぶ。背中からは「うっ…」と小さな声がした。泥が身体中に付き、俺も小さな悲鳴をあげる。



(もうだめだ、立てる気がしない。せめてこいつだけでも…)




『…ィ…に…げ…ろ…』




 俺の背中に向かってありったけの声量で発した。その際にかなりの血液を口から吐き出したが、そんな事はもうどうでもいい。あまり声は出てなかったかもしれないが伝えることはできただろうか。



『イヤだよ…せっかく……。また一緒に……お兄ちゃんと遊べる…って思ったのに…』



その声もかなり弱っている。体にはいくつもの傷や痣があり立てるような身体ではない。それでも…



(ワガママ言ってんじゃねーよ。そんなことお兄ちゃん許さねえから)



 しかし身体は全く動かない。次第に遠くなっていく意識に虚しさを覚える。



(俺、頑張ったかな)



(俺、かっこ悪いな)



(不幸なのかな)



(愛がいくらあったって…)



 雨が体に当たり体力を奪い続ける中、俺は静かに目を閉じ終わりを待った。



プロローグとはこんなものでいいのでしょうか、初投稿で不安がたくさんです。

感想、ご指摘宜しくお願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ