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リンスインダーリンスイート



さて、シンゴジラが上映され8月1日がおっぱいの日で、8月2日はパンツの日であった激動の時代を生きぬく僕ですこんばんは。


今日も「はい」「わかりました」「すみません」の三単語だけで仕事を終えた僕はクタクタでした。


労働という名のクソにも劣る非人道的拘束から解放された僕。

まずはコンビニに寄って発泡酒を買います。

弁当を買います。

あ、そういやリンス切れてたな…買います。

からあげクンを買います。


家に帰ります。帰りました。


エアコンを起動せし我輩は!すかさず!からあげクンを一口パクーッ!

そしてぇ!発泡酒をキュキュ!キュポン!ごくごくごく!ぷっはああああ!!!




あああああああああああヤッベェェエエエー!

発泡酒と間違えてリンス一気飲みしてもうたあああああ!?!!?


 ドクン!ドクン!


うぐあああ!?

しまった、やっちまった…。

あやまってリンスを飲んだ僕はリンスマンとなってしまった!!


む!リンスを求める声が聞こえる!!


そう、リンスマンの特殊能力。リンスを求める者の心の声、マインドボイスがリッスンできるのだ!


マインドボイスは言っている…。


『ああ、私は三丁目のアパートに住むOL。リンスが無いわ。ああ困ったリンスが無いわ!

買いに行くのも面倒ね。かくなる上は、この汚部屋に住まうゴキブリを集めて抽出し、その油を髪に塗りたくるしか…!』


……極端!


やめてよー、まんまゴキブリ由来のエキス髪に纏わせたOLとか見たくねえよー。


『貴方に私の気持ちが分かってたまるものですか!

はんっ!そこまで言うなら貴方がリンスを買ってきてくれたらいいでしょうに!』


なんでテレパシーなってんの?リンスマンの能力便利すぎるだろ。

うん、まあリンスくらい買ってきてもいいから、後で金払えよ?


『助かるわ。お使い代として色つけるから弁当とタバコもお願いね』


まいどありー。




さあ、リンスマンとしての初仕事だ!

もう決めた。これを生業に自営業をしてやるんだ!もうあんな会社になんか行ってやるものか!

だって僕はリンスマンだもの!



リンスと弁当とタバコとからあげクン下さい。


コンビニ店員はレジ前の僕を見て目を見開いた。

「んまあっ!常連さんって今まで死んだ目をした現代社会の被害者その名も社畜だと思っていましたが、

よく見たら貴方って、とってもリンスマン!!」


やはり高貴なるリンスマンの輝きは隠しきれないらしい。



ピンポーン ピンポーン ピングポーング!


三丁目のアパートに着いた僕が呼び出し鈴を鳴らせば、ガチャリとOLが出てきた。


「やだ、本当に来てくれるなんて、流石はリンスマンねっ!

汚い所だけど上がって上がって。上ってなンボ!」


どひゃあ!OLの部屋は本当に汚かった。


「適当にゴミどけて座りなよ。ごはんごはん」


OLは弁当を開け、そのまま一気に…掻き込む!

食べ終えた弁当はそのまま近くにポイっ!


そんなだから部屋が汚れるんやで?


「財布はこの部屋の樹海に埋れて発掘困難なの。

だから私が風呂に入ってる間に掃除しといて」


やれやれ、確かに肝心のお代金を貰わないと意味がないぜ。



「すごいわっ!部屋がピッカピカだわさ!?」


風呂から上がり部屋を見て驚愕するOL。

当然だ。リンスマンとして覚醒した僕は掃除スキルが天元突破しているのだ。リンスマンとして当然のことをしたまで!


僕はOLからリンスや弁当嗜好品代とは別に、清掃費としてパンツを貰ってアパートを去った。


夜風に当たり思いふけるも、そら、すぐにマインドボイスだ。


『きゃあ!私は一人暮らしの女子大学生だけどリンスが無いわ!

ああ困った!殊更困ったわ!誰かリンスを買って来て明日期限の単位を左右するレポートを書いてくれたら高校時代履いてたローファーなんて惜しく無いわ!』

『どひゃあ!私は熟れた肉体を持て余す団地妻だけどリンスが無いわ!俄然リンスが無いわ!

誰かリンスを買ってきてリストラされた旦那の再就職先を斡旋してくれたら若い頃に私が出演した18禁のビデオを差し上げますわ!』

『どんがらがっしゃーん!私は殿方に入浴とマッサージによって夢のような時間を提供しているのだけれどローションがないわ!いわんやローションが無いわ!

だれかローション買って来てくれたら一回サービスしてあげるのに!』



どうやらリンスマンを求める声は途切れる事が無い。


やれやれ。今夜は長い夜になりそうだ。




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