百合沢先生の百合授業
皆さんが小説家になろうで求める物はなんでしょうか?
異世界転生?チート?ハーレム?
ううん違う。もっと自分に素直におなりなさい。
そう、、、百合ね!
百合こそがなろうで求められている…否!
百合のためだけにあると言っても過言じゃないわ!
ああっ!ああっ!だけど、悲しいかな、自分好みの百合を見つけるのは険しく困難…!
百合の坂に果てなど無いが、百合鍛練を怠ればすぐさま転げ落ちる険しき道…百合道ッ!
私、百合沢沼子は私の百合道を極めんと、ここ!
聖ピエール女学園に新任女教師として着任した!
巻き起こすぜ…百合の風…ッ!!
百合沢「あいホームルームおわりまーす。日直号令かましたれー」
と、まあ息巻いてたのも最初のうち。
今じゃあ普通の学園の教師だ。
だって百合要素ないんだよ!?
周りみんな女子なのに百合なじゃれ合い皆無だよ!?
なんだよ女子高とか百合天国じゃ無かったのかよガッカリだ。とんだ百合ショックだ!
期待した私が馬鹿みたい嗚呼この世は諸行無常(※余談だが聖ピエール女学園は仏教系)
今にも枯れそうな私の百合ハート…。
ここの生徒たちは百合という輪廻の輪から解脱でもしてんですかね?
普通、かわいいオナゴとオナゴがいれば、そこにライクなラブで百合になってアヘアヘじゃあらしませんの?
百合沢「くっそがあああああ!!!お前らもっと不純同性交際しろやあああああ!!!」
私は机を叩く!バン!ババン!
百井「また百合沢先生がわけわかんないこと言って発狂してる…」
河合「シッ!いいから放っておこうよ。なんかアイツやべえって」
百合沢「百井!河合!聞こえてっゾ!生徒指導室に来なさい!」
百井「うわっ横暴だ…」
河合「せんせー私部活あんだけど?」
百合沢「部活と百合、どっちが大事かよく考えろッ!!」
「「考えるまでもないよ!?」」
百合沢「そうだな百合だな。よし来い!」
河合「こいつマジか……」
生徒指導室
百合沢「さて、何でお前ら呼ばれたか分かるな?」
「いえ」「全く」
はぁぁ〜。
これはため息もつきたくなるね。
百合に対する意識が低すぎる…!
百合意識低い系の典型だわ。
ううん、でも決めた!そうよ、百合が無いなら種を植えればいいの!
いつしか百合の花を咲かせてみせようぞ!
だって私は教師なんだもの!
巻き起こすぜ…百合の風…ッ!!
百合沢「あー、じゃあそうだ百井。お前、河合が崖から足を滑らして落ちそうになったら助けるか?」
百井「そりゃもちろんだよ!」
百合沢「ほほう即答か!まずは及第点だな。先生嬉しいぞ!
んー、崖から落ちる河合。すかさず腕を掴む百井。「おいっ河合手を放せ!お前まで落ちちゃうだろ!?」「ううん離さない!死んでも離さない!」
百井の涙が溢れ落ち、河合の頬に、それが伝って口の中に…!百井の涙が河合の口内に…!
ひゃあ!!甘露甘露!!その甘さに脳が痺れ、はじめて河合は気付く…!
「ああ、私…百井のことが好…」だが!言い終える前に筋力の限界!離れる両手!?
落ちる河合!!NOooooooo!!!!!!!!」
ボルテージ最高潮の勢いで思わずパイプ椅子を窓ガラスにガッシャアアアーン!!
「「……………」」
百合沢「はぁ…はぁ…。ふう。
さて河合、お前は百井が落ちそうな時どうする?」
河合「え…あ、ああ…。
そもそも崖から落ちる時点で手遅れじゃないです?
40kg以上の自然落下する質量を掴めたとして、良くて肩が外れる。だいたいはつられて二人とも落ち…」
百合沢「ゴチャゴチャうるせぁぁあああ!!!」
ドグポッ!?
私のボディブローが河合に深く突き刺さる!百合体罰だッ!!
河合「オロロロロぉぉぉ…!!」
たまらず口から何かアレなものをナイアガる河合。
昼ごはんはうどんか…。
百井「先生非道いです!なんでこんなこ…百合沢先生、手から血が!?」
チッ。
とっさに私は百合体罰した拳を隠す。
だが百井のほうが早い!?
百井「隠さないで!」
百井に手を掴まれ、流石の私も観念した。百合観念した。
そして、握っていた拳を開く…。
百井「これは…百合の花!?そんな…こんなの握って殴ったら先生のほうが痛いに決まっているわ!」
※この物語はフィクションです。実際の団体、法律、花の強度などは関係ありません。
百合沢「いいんだ…。だって、それでも私は…百合教師だから…」
そう言って笑顔を作り微笑む。
この学園のかわいい生徒達すべて、百合の魅力に気付いてくれるならば、
例えこの両手どれほど血に染まろうと一向に構わんっ!
これが私の覚悟!百合覚悟!!
百井「百合沢先生…。ふふ、私、先生のこと誤解してた」
河合「ふぅ…ふぅ…、あ、ああ。確かに、こんな熱い魂を持ってたなんてな…」
百合沢「照れるわね。ほら河合さん、スポーツドリンクよ。これでも飲んで落ち着きなベイベー」
河合は私が渡したポカリを飲みだす。ふふっ、やはり少女にはポカリがよく似合うでぇ!
百井「それで教えて下さい!先生が言うその、百合ってぇヤツを!!」
河合「ああ、私もなんだか興味がでてきたよ!」
百合沢「流石だわ愛しい生徒たち!先生感動よ!
そうね…。まずは百合の登竜門にして金字塔…間接キッスよ!!」
「間接…!?」「kiss…!?」
百合沢「左様。今河合が飲んだポカリ。貴様も同じようにそれを飲むのじゃ!」
百井「ズガビーン!?!
そ、そんな…、出来ません!普段ならまだしも、ゲロった彼女の口がついたポカリなんて!?」
河合「も、百井……?」
百合沢「そうか。ならばこのポカリは私が飲むがいいか?
さーて河合のファースト間接キッス(多分)の味はどうかなあ??さぞかし甘いんだろうなああ??」
私はポカリを取るとそれを口に…
百井「ダメぇぇぇえええー!!!」
ドンッ!
百井は私を突き飛ばしポカリを奪う!
そして、口を………
付けたッッッ!!!!
百合沢「うっひょひょぉぉぉおーひゃひゅううーうぅうー!!!」
私は百合の風最大風速の悦びと興奮から、長机を持ち上げ黒板に叩きつけるッ!バゴーン!
何度も…何度も!バゴバゴーン!!
百合沢「はぁ…はぁ…。…ウェルカム百合ワールド…」
河合「ど、どうだ…なんか変な味とかしなかったか?」
百井「えへへ、ちょっと酸っぱかった…」
河合「ば…ばか……////」
はじめては
ちょっと酸っぱい
百合ポカリ
百合沢 心の百合句
そして私は百合の衝動に身を任せ、割れた窓からダイブした…!
生徒指導室は四階だと分かっていたけど、止められなかった…!
こうして市内の病院ベッドで横になっている私がいる。
先ほどまで百井と河合が見舞いに来てくれたが、仲のいい普通の友人といった風で、百合の芽が育まれているのか些か不安だ。
百合沢「はあ、早く学校に戻りたい…」
あの二人が百合に至ったかどうか、見極めないと。
もしかしたら、私がした事は無駄だったのかも…。
そんな私に看護師さんは、「四階から落ちて右脚にヒビが入っただけなんて奇跡ですよ。気持ちは分かりますがちゃんと休養して下さいね」なんておどけて言う。
「あら、それにしても仲の良い生徒さんなんですね?」
ん?看護師さんの視線を辿り、窓の外をみれば、
そこには手を繋いで帰る百井と河合の姿が!!!
涙が、溢れた。
私がした事は…間違いじゃ…間違いじゃ無かった…!
しかもアレは…
百合沢「恋 人 繋 ぎ !!!」
「ちょっと!?百合沢さん?百合沢さんっ!!?」
うおおおおおおおお!!!!
百合の真髄を垣間見た私は、看護師の静止を振り切り、黄金の右脚でベッドを蹴り上げドッゴォーン!!!
今度こそ完全ポッキリ右脚は折れたがそれがどうした!?
巻き起こすぜ…!百合の風…ッ!!
完