Prologue
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宇宙、という存在がある。無数に点在する星々、決して触れ合う事の無い次元、多種多様な生物。誰が創ったのか、それとも最初から存在していたのか。誰もまだきっと知り得ない存在。
そんな宇宙のとある所に、青い星があった。
幾つかの大地が水の上に浮かんでいる星。其処には、多くの生き物が存在している。一例を取れば、″人間″と呼ばれる生物が沢山住んでいた。
その人間と呼ばれる生物は、日々を生き抜く為に色々な事を覚えていった。不思議な事が起きる力の源ーーー魔力。生まれつきそれを持った者は魔術を生み出し、魔力を持たない人間達は、魔術に似た事を物や道具で起こせるように尽力した。身体能力に優れた者は武術を身に付けたりもした。
しかし段々文化や力量などの違いが出てきて、彼らは何度も苦戦する事になる。テリトリーを巡って争いが起きたり、前の世代を超えようとして仲間内で反乱があったり。戦争までも起こった事があった。そこで、彼らは住む場所を分け、国を創った。
国はそれぞれに発展していった。魔術師が沢山いる国や、文化を守りひっそりと暮らす国、武道家が集まる国など、特徴を持った国が増えていった。
始めは納得しない者もいて、争いが度々起こったが、それも暫くすれば自然におさまっていった。
そのうち他の国に興味を持った人間達は、国同士で条約を結んだり、個人やチームで他の国を旅したりするようになった。
そんなこんながあって、それでもなお彼らは移り変わっていく。表でも、裏でも。
これは、そんな世界の中で暮らす者達のお話。
何者でも無い、そして全ての存在であるその者は言う。
「繰り返す。それが、この世界の理だ」と。