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 3

 エレメントは、気をつけていたようだったがやはり目の前の敵に集中していたせいで、真横に隠れていたホークにあっさりと撃ち倒された。


「出てきていいぞ、サンライズ」


 軽装で沢かげに伏せていたサンライズも、ようやくはい出してきた。

 目の前でリーダーたちが撃ちあっているのを、ただぼう然と眺めているだけだった。


 ホークが『死者』のタグを端末に通してから本部に報告を入れている。


「04班ホークより連絡。衝突あり。03班エレメント死亡、02班ノルトゼー死亡、同じく02班チャプマン死亡。座標確認お願いします」


 これは全ての班に本部から連絡される。

 この合宿が始まってからまだ二日目の正午にもなっていないのに、いきなり三人も減ってしまった。動揺は大きいだろう。


 初めてみる光線銃の威力に、サンライズは言葉もなかった。

 音も出る、って聞いていたが本当にあれは銃撃戦そのものだ。

 意識のないチャプマンにそっと触ってみて、脈があるのを確認できてからようやく声が出た。


「この人たちは? どうなるんですか」

「すぐに本部救護班から人が飛んできて回収される」


「捕虜には、しないんですか?」

 事前説明では、捕虜もあり得る、という話だったが今の様子を見ていると、敵に遭ったら問答無用で撃ち殺しているような感じだった。

「まだ始まったばかりだからね、早いうちに少しでも頭数は減らした方がいいから」

 あっさりと、ホークが言った。

 ギガンテも血の気の多そうな笑い方をしている。

「普段のストレスが吹っ飛ぶぜ、早く次のヤツと遭わねえかな」


 サンライズ、黙ったまま上着をつけ直してヘルメットを拾ってかぶり、ダミーの荷物をまとめ始めた。


 いくら死んでないとは言え、三人もぐったりと倒れている姿はまさに戦場だ。


 こういうのを見ないためにオレたちは働いているはずなのに。


 それでも、倒れているのがゾディアックでなくて、少しだけほっとしたのは確かだった。

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