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-第3話- 「 センターシティ・リド 」

 小鳥のさえずりと共に朝がやって来た。


 やはり目が覚めても見慣れた家の天井ではなかった。これからどうなるのだろうか?浦島太郎にはなりたくないよな……そう思いながら部屋にあった鏡の前に立って見た。


「しかし、本当に昔の姿だよな~」


 自分の姿を不思議そうに何度も見つめ返した。そして、太陽の光が降りそそぐ窓辺から外を眺めて見た。そこには、広大なセンターシティ・リドの街並みが広がっていた。


「おっはよ~リク!」


 太陽より明るい元気なルシアの声が飛び込んできた!


「おはよっ!」


 とりあえず、こちらも元気よく返した。この世界の服装に着替えて、再び鏡に自分の姿を映した。


「勇者か……それでオレは、何をすればいいんだい?」


 勇者というからには、何か行動しなくては……と思った。今? 「オレ」って言ったよな? まぁ、いいか。


「今日は、とりあえず街を見てまわろうよ! い~っぱい案内するからね~ゆ・う・しゃ・ど・の~」


「朝から、からかってるのか?」


 まぁ、楽しげなルシアにめんじて、今日は天気もいいしね。ルシアは、微笑みながら私の手を取って、この広い屋敷から連れ出した。


「ん~いい天気! このリドの街はね別名「ブレッド・シティ」って呼ばれてたんだよ~」


「……ブレッド・シティ? 何かおいしそうな名前だね」


 まずは定番? とでも言うか、噴水のある大きな広場からスタートした。街を歩いていると、何か懐かしい感じがした。 それは、昔やったゲームにある『武器やアイテムを売る店』があるからだろうか? でも、この世界は現実に存在している。私は、改めてそう思った。


「あれ~? どうしたの~楽しくないかな~?」


 ルシアが私の顔を覗き込んだ。


「楽しいよ。とっても! ねぇ、ルシア1つ聞くけどさ~この世界って魔法とかあるの?」


 異世界だし思い切って聞いてみた。どんな答えが返ってくるのか少し興味があった。


「ん? 魔法ならあるよ」


 何か、あっさりと答えが返ってきた。


「でもね、許可がないとダメなんだよね~」


 許可? 許可なんかいるんだ……実際に見てみたいものである。ここ(アースリア)に来る時のあの光……あれは? 魔法じゃないのか……


 ルシアの案内で、リドの街を1日近くをかけて噴水の広場に戻って来た。


「ふぅ~疲れたね……街外れまで行くには、あと2、3日はかかるかな~」



「2、3日……何て広い街なんだ」


 リドの街を歩いていて疑問に思ったことがあった。それは、ケーキなどスイーツを売る店はあった。でもパンを売る店が一軒も見当たらなかった。


「ねぇルシア、この街のどこがブレッド・シティなんだい?」


 当然といえば、当然の質問をしてみた。


「1年前までは、たくさんのパン屋さんがあったんだよ……」


 今まで明るいルシアの顔がくもった。この世界に一体何があったというんだ?


「……でもリクが、今ここにいるから大丈夫! ワタシ信じてるからね。おいしいパンをみんなで食べる日が来る事をね!」


 やはりパン屋が世界を救う!? アースリアを救う? そういう事なんだ。


「どうやって世界を救うんだ?」


 ここに来てからというもの……??? な事が多すぎる。この時、一刻も早くこの状況を理解しなければと思った。


「今日は、街を案内してルシア疲れちゃった~。明日にしよっ! 決まり! じゃ~ね~」


 ルシアは私を置いて行ってしまった。そして一人私は……噴水の広場で呆然ぼうぜんと立ち尽くしていた。


 我に返り…… 


「世界を救うのは、そんなのん気でいいのかぁぁぁぁぁ~!」


 私は、噴水の広場で声を大にして叫んだ。


 部屋に戻った私は、少し頭を整理してみる事にした。パン屋が無いのにブレッド・シティ? その理由は1年前の出来事にある。この世界を救うパン職人……か。理由を街の人に聞いてもいいのだが、ゲームじゃないんだし明日を待つとするか。美味しかった夕食を腹いっぱい食べたせいか眠くなってきた。


 ラークスは、居なかったようだが……


 だめだ……ねむい



第4話に続く……

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