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第一話

……✣✣✣……


「あの、小琴(こと)さん」


青白い顔をした、紙を垂らした婦人。

「小琴」と呼ばれた美しい女性には、見覚えがあった。


「……どうか、されたのですか」


女性の顔も、婦人から移されたかのように、青白くなっていく。

その婦人は、どこでも明るく笑っている、気前がいい人として知られていた。


「た、大変申し上げにくいのですが……」


さらに不安にあおられるようで、どちらの顔色も知らぬ間に青に染まっている


「早く申し上げてぐださい!」


女性が震える声でまくしたてると、一つ息をつき、一気に話しあげた


「賀ヶ薫さんが、この桜家に、通われることになりました」


廊下に声が響く。

婦人は苦虫をかみつぶしたような顔をし、正面で唖然としている女性を見る




これは、小琴と言われる少女の、平安時代の恋物語である

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