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Ride15 マウンテントレール

「あッ! あはぁッ!」


 村でもらった干し肉を餌にしておびき寄せ、アウラさんと連携して、なんとかアシナガリザードさんに跨がることに成功しました。でも、跨がったとたん、なんだか興奮したようで……揺れが……すごいです……。


「あぁ……なんという……。お前、まさかあのウルフともこんな……?」


「ち、違います! あれはただのマッサージで……!」


 あの時だって、そんなつもりは微塵もなかったんです……。でも、だんだんわかってきました……。私の魔法だかスキルの発動条件って……


「アギャッ! アギャッ!」


「んっ! アシナガリザードさん! そんな! そんなぁッ!」


 鱗がゴリゴリして……私……私ぃ……!


「アギャアッ!」

「んん〜ッ!!」



  △



「アギャア!」


 ペロペロ……


「あは! くすぐったいよぉ!」


「すっかりお前に懐いたな。……しかし、あんな発動条件とは……うらやま……いや、破廉恥(はれんち)な」


 そうなんです……木馬さんや、ウルフさんのときもそうでした。つまり、私が跨がって、一緒に気持ちよくなるコト……。

 バイ助君だけだと思ってたのに……私ってはしたないんでしょうか……。


「私に跨がれなかったのも、そういうことなのかもしれないな……」


「え? そういうことって?」


「つまり、女が相手だと気持ちよくならないんだろ?」


「え!? そ、そんなこと……!」


 アウラさんが警戒するように身構えます。


「わ、私はそういう趣味はないからな!」


 でも、アウラさんに跨がれなかったのはそういうことなのかもしれません……。別に嫌じゃないのに……考えてもわかりませんでした。


「わ、私だってそうです! たぶん……。というか、バイ助君だけです! 私は!」


「バイスケクン?」


「な、なんでもありません……」


 説明をはじめると長くなりそうだし、機会があれば、そのうち話すこともありますよね。


「ところで、こいつの名前はどうするんだ?」


「えっと……」


「アギャ?」


 アシナガリザードさんは首を傾げて私を見つめています。かわいい……。それに、たくましくてしなやかな筋肉がついた、長い脚……。きっと、山道も楽々走るんだろうな。


「セローちゃんで」


「セロー?」


 セローはカモシカだけど……まぁいいよね。こういうのはフィーリングです。


「そうか、セローか。よくわからんが、似合っている気がする。よろしくな、セロー」


「アギャア!」


 ふふ、なんだかセローも気に入ってくれたみたいで、うれしいです。


「じゃあ、早速乗せてもらいましょう。よろしくね、セロー。きっと仲間も見つけてあげるから」


「アギャア!」


 私たちはセローに跨がります。アウラさんは後ろに座って、私の腰に手を回して。

 もちろん、私はちゃんとヘルメットを被りました。難しいと思うけど、いつかアウラさんの分も用意してあげたいです……。


 あ、視える。セローの回転速度計(タコメーター)。……木馬さんのメーターも、もっと早く見えていたらなぁ……。


「どうした? ミタライ」


「ううん、なんでもありません。行こう! セロー!」


「アギャアッ!」


 ダダダッ!


 すごく速い……!


「やはり、お前の跨がり魔法を受けた者は能力が強化されるようだな……!」


「そうなんでしょうか……。ていうか、『跨がり魔法』なんてひどいです……」


 ウルフさんが戦いの時に言っていた言葉を思い出します。


『この湧き上がるような力は一体……!? これが、俺か……?』


「……私が跨がっていないときも、ウルフさんは普段より強くなっていたみたいでした……」


 タッタッタッタッ……


「そうか……。今の段階では推測でしかないが、跨がったあとは、しばらく効果が持続するのかもしれんな」


 ダン!


「あぅッ! セロー、ジャンプするときは事前にだな……」


 ダダダダ……


「きゃ! し、振動……あッ!」


「んっ! お、おいセロー、もう少しゆっくり……あはッ!」


 ダダダダダダ……! そ、そういえば、バイ助君と同じ、ヤマハの単気筒……。私は、セローで走りながら、顔が熱くなるのを感じるのでした。


 しばらく走ると、目の前に壁が見えてきました。


「あ……」


「あれが岩山だ。通常なら迂回するため、このあたりから南に進み始めるのだが」


 高さはそれほどでもないけど、すごく横に広い。あれを迂回するとなると、確かにかなりの時間がかかりそうです。


「でも、セローならきっと……!」


 セローと目が合います。その目は自信に満ちており、「任せておけ」と私に伝えているようでした。


「行きましょう!」


 岩山に近づくと、すごい急斜面です。


「お願い! セロー!」


「アンギャッ!」


 ダンッ! ダダダ……!


 ……よーし、セローの最大トルク発生回転数(ピークトルク)……七千rpmを維持……! すごい、岩山の急斜面をモノともせず、時にはわずかな出っ張りに足をかけ、ジャンプしてぐんぐん登っていきます……!


 ダンッ! ガクンッ! ダンッ! ダダダ……!


「あふッ! さ、さっきと違って、突き上げるような……」


「ちょ、ミタライ……! 振り落とされ……! ひゃあんッ!」


 シートと、タンデムベルトを用意しないといけないですね。でも……このままでもいいかも……

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