表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/32

Ride10 強襲、魔王軍

「何!? 魔王軍だと!?」


 男性はいそいそと鎧を身につけて剣を掴み、扉を開けます。私も後を追い、外に飛び出しました。

 ……ハッ、つ、つい勢いで、一緒に外に出てしまいました。しかもこんな格好のままで……。

 村の入り口に人が集まっています。アウラさんもいました。同じ格好で……。あ、アルフレッドさんもいる。


「ミタライ……! なぜ来た!?」


「な、なんとなく、勢いで。……あの、魔王軍が攻めて来たって……」


「……ああ……!」


 アウラさんの視線は、村の外に固定されています。


「……へぇ? 小さいけど、悪くない村じゃない」


 その視線の先に、赤い髪で、ツノが二本生えた女の人がいました。その後ろには、カストロールがたくさんいます。


「あ! あの女どもだ!」


 カストロールの一人が、私とアウラさんを指さして言います。


「ボスと仲間を大勢やったやつですぜ!!」


 どうやらカストロールは、魔王軍の手下だったようです。


「ふぅん。こいつらが?」


 私は怖くて、ついアウラさんの後ろに隠れてしまいました。


「カストロール……。魔王軍の配下になっていたとは……そこまで堕ちたか!」


「……下品な格好……。エルフはともかく、もう一人は強そうには見えないけどねぇ」


 色々と否定できません……。こんな状況なのに、村の男の人たちがチラチラと私たちを見ている気がします……。


「まぁいいわ。あたしは魔王軍の幹部が一人、カレン。この村は、魔王軍がいただくわ」


「……こんな小さな辺境の村を手に入れて、どうするつもりだ?」


 アウラさんが聞くと、カレンは「フン」と不敵に鼻で笑います。


「ここを、マッハドラゴン捕獲作戦の拠点とするのよ。大魔王様は、その力を欲しがっていらっしゃる。あんたたちは、奴隷としてこき使ってあげるわ」


 ざわざわ……


「大魔王……だと……!?」


「?」


 私は、なぜ皆さんが驚いているのかわかりません。そんな私を置いてけぼりにして、話は続きます。


「ふふ……。そうよ。今、新生魔王軍を束ねているのは魔王様ではない。……大魔王様よ」


「!!」


「ふふ……驚きを隠せないようね」


 皆さん衝撃を受けていますが、私は何が何だかわかりません。そんな私の様子を察してか、アウラさんが教えてくれます。


「……もともとこいつらは、魔王軍とは名ばかりで、万引きや食い逃げ、チンケな詐欺や恐喝を繰り返している、しょうもない集団だったんだ」

 

「ちょ……それは言わない約束でしょ!?」


 そうだったんだ……。ま、まぁ、人を殺したり、町を破壊したりするよりはマシですけど……。


「……最近になって、急激に勢力を増しているという話は本当だったようだ。……また自分たちで、くだらない噂を吹聴しているのだとばかり思っていたが……」


 カレンは顔を赤くして怒っているようでしたが、やがて冷静になって演技がかったように言います。


「ふ……そうよ。魔王軍は、より強力に生まれ変わったの。大魔王様のお力でね!」


 そう言って、カレンは村の入り口を一歩またぎました。


「抵抗せずに降伏するなら、手出しはしないわ」


 彼女がそう言うと、カストロールたちから不満の声があがります。


「そりゃねーぜ! せめてこの女どもだけでもやらねぇと気がすまねぇ!!」


「そーだそーだ!!」


「……仕方ないわね。ただし、やるのはこの二人だけにしなさい。まぁ、たしかに戦闘員は始末しておいてもいいかもね」


 ……わ、私も戦闘員扱いされてる……。

 私は、剣を構えるアウラさんの後ろで隠れるように縮こまります。カストロールがじりじりと近づいて来ます……。


 ザッ……!


 すると、私を背にするように、誰かがカストロール達の前に立ちはだかりました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ