日常編 ドタバタ! 蔵の一日
本編は無事に完結しましたが、今回はおまけのほのぼの日常回です。
酒蔵で暮らす仲間たちの、笑いありハプニングありの一日をお楽しみください。
朝の蔵は慌ただしい。
蒸した米の香りが漂い、桶の音が響く。
私は鼻をひくつかせながら、今日も嗅覚チートを発動!
「ん~……ちょっと水分が多いかな?」
「おい美咲、まだ朝飯も食ってないのに嗅覚全開かよ」
十四代が笑いながら肩をすくめる。
「仕事熱心で結構なことだ」
越乃寒梅が冷静に頷く。だが次の瞬間──
「……十四代、桶に足突っ込むな」
南部美人の低い声が響いた。
「えっ!? わ、わざとじゃないって!」
桶の中でジタバタする十四代に、蔵中が大爆笑。
「ほら、ほら、俺は笑わせ役だから!」
十四代は苦笑いしながら桶から飛び出すが、案の定ずぶ濡れだ。
「……仕込み用の米を無駄にするとは。減点だ」
越乃寒梅が冷徹に言い放つ。
「お前は減点しか頭にないのか……」
十四代が肩を落とすと、南部美人が黙ってタオルを差し出した。
「……ありがと」
「次は気をつけろ」
二人のやり取りに、私は思わず微笑んだ。
その時、ドンッと蔵の扉が開いた。
黒い風と共に現れたのは──黒龍さん!
「……腹が減った。飯はまだか」
「いや、あなた絶対狙って来てますよね!?」
私が叫ぶと、田酒さんが苦笑して炊きたての米を差し出す。
「仕方ないな。黒龍、これを食え」
黒龍さんはふん、と鼻を鳴らしながらも美味しそうに米を頬張った。
「……悪くない」
その姿に、十四代が茶々を入れる。
「ほら見ろ、美咲。あの孤高の王様も飯の前じゃただの食いしん坊だ」
蔵の中に笑い声が響いた。
以上、ドタバタ日常編でした!
本編のシリアスとは打って変わって、仲間たちのわちゃわちゃ感を楽しんでいただけたら嬉しいです。




