血に染まるヘレヨン
本日【8月24日】3回目の更新です。
そして、ヘレヨンは私の頬に手をかけ、顔をゆっくりと近づけてくる。
必死に体を逸らすが、抱きしめられていて動けない。
「あっあの……ヘレヨン……?」
やばい。顔が近づく。
嫌だ、嫌だ!!!
怖くてぎゅっと目を閉じる。すると、
「ゲホッゲホッ」
私は吐血していた。
どうやら私は、ヘレヨンのことを体から拒否しているらしゲホッゲホッ
ぐる゛しい……。
ヘレヨンの服に、血がかかる。
まずい!こんなことしたらヘレヨンがまた気を損ねてしまう……!!
それでも血は止まらず、私は吐き続ける。
「ゲホッゲホッ」
「……。」
王子は何とも言えない顔をしながら、私を見ていた。
しかし、そのあと意外な反応をした。
「ごめんね。体調悪いんだね。今部屋に連れて帰るから。」
と、私を部屋に連れ戻そうとしてくれたのである。
ゲホッゲホッ
「あ゛っっ……」
返事ができない。
「よし。しっかり捕まっててね。」
そして、ヘレヨンは私を抱き上げた。
が、
ゲホッゲホッゲホッゲホッゲホッ
本当に生理的に無理らしい。
ヘレヨンが抱き上げた瞬間、もっと咳が酷くなった。
「だっ大丈夫かい?」
ヘレヨンが慌てて下ろすと、いくらか落ち着いた。
「ゼー。ゼー。」
一呼吸おいた後、私は苦しみながらも声を絞り出した
「ひ゛、ひどりでがえれます…」
「えっでも……」
「ひどりでがえれます。」
戸惑う王子をよそに、私は部屋へ戻った。




