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ヘレヨンの企み

本日「8.21」2回目の更新です。

投稿頻度は落ちますが、きちんと完結させるので安心してくださると幸いです。

ヘレヨンに刺客として送り込まれたドロワットは、手下とともにヴィヨレの場所を嗅ぎつけ、観察していた。


任務を遂行する適切なタイミングを見計らうために。


そして、手下の1人をヘレヨンの元へ使者として送り、こう報告させた。


「ヴィヨレ様は、四六時中隣国の王子と行動を共にしています」


「……。隣国の王子?」


ヘレヨンは歯をぎりりと食いしばる。


眉間には皺がより、今にも爆発しそうだった。


しかし、そんなヘレヨンの癇癪にも怯まず、死者は続ける。


「……はっ。その通りでございます」


ヘレヨンの顔には何本もの血管が浮き出ていた。


しかし、何回も大きく深呼吸をして、まだ理性を保っていた。


「その王子は誰だ?」


「アデル王子でございます」


「アデル……??」


ヘレヨンは一瞬、目を見開く。


そして、急にくっくっ、と笑い出した。


「アデル、アデル!!あはははは!あのアデルだな!?僕が遠ざけた、あのアデルだな!!」


「……。」


「ははっ……本当に笑うしかないよ。つまり、今回は54回目だね。あいつ……、ヴィヨレ、嘘つきやがって!!!」


「……。」


ヘレヨンは笑いながら使者に聞く。


「ねえ。ちなみに、アデルとヴィヨレはどんな感じだったのかな?」


「____。」


使者が2人の様子を事細かに説明する。


それを聞いて、ヘレヨンは満足気にうなずいた。


「ふーん。その様子だとお互い気付いてなさそうだね。……元の世界では彼氏と彼女だったのに」


「……」


「あはっ、あははははっ」


ヘレヨンはひとしきり笑った。


「つまり、向こうがその事実に気がついたら僕的にはかなりまずいことになるわけだ。あはは、困るね。本当に。一刻も早く2人を引き剥がさないと」


そして、しばらくすると使者に向き直った。


「ねえ。ドロワットに頼みたいことがあるんだ。……ヴィヨレの心を折るためにね」

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