表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/55

解読終了

最近毎日更新できてなくてすみません。

これからもできない時があると思いますが、できるだけ頑張りますので、お読みいただけると嬉しいです。

そして、私達はこの「崩し字」の解読を始めた。


挿絵(By みてみん)


30分くらい経っただろうか。


「できましたわ。」


えーと。

私はリリーの答えを確認する。


『かるろすをさかせ くわしくはいすみのなか』


「すご!全部あってます!!!」


「わたくしも合っていると思いましたわ。でもこの文章、どうして濁点がありませんの?」


「昔は濁点がそもそも表記として存在していなかったからです。それに、昔の人は現在より多数の発音を使いこなしたと言われていて、文章に書いてなくてもどこに濁点をつけて読めばいいのか分かっていたんです。」


「昔の人ってすごいんですのね……」


リリーが感心している。



「だから現在の書き方にするとするなら、『かるろすをさがせ くわしくはいずみのなか』となります。」


「なるほど……!そうなんですのね……!!」


リリーは飲み込みが早かった。


私が読み始めた時なんかは間違いだらけだったのに、この通りリリーは完璧だ。


私が思わず、


「リリー様は覚えの早い方なのですね。まるで植物が水を吸うようです。」


と言うと、


「別に……大したことありませんわ。」


と、リリーは顔を赤くしていた。可愛い。


そんな話をしていると、


「だとすると、その泉はどこにあるんだ?」


と、アデルが口を開いた。


確かにそうだ。泉なんてこの世に五万とあるだろう。


「いずみのなか」なんて大枠にも程がある。


私とアデルが唸っていると、


「泉のことなら、心当たりがありますわ。」


本当に!?

私とアデルが一斉にリリーを見る。


「亡くなられたローザスおじいさまと、小さい頃よく遊んでいた泉がありますの。根拠があると言われれば無いけれど、行ってみる価値はありますわ。」


確かに。この文書はローザスが遺したものだし、リリーの言う通り行ってみてもいいかも。


それに……。


私はアデルを見る。


ここで私がリリーとこの謎を解決すれば、アデルの「許婚を楽しませる」という頼みを叶えられる可能性がある。


それに……。


アデルとリリーの距離も、縮まるかも。


ここまですれ違ってると、流石に応援したくなっちゃうし。


そんな期待を抱きながら、私は2人と共に泉へと向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ