衝撃の依頼主
本日3回目の更新です。
1日1話は更新します。
「お前だな。グリシーヌの身代わりになったと言うやつは。」
「……え?」
アデルは知っていたの?
「……なんでそれを。」
「?聞いてなかったのか?グリシーヌを逃すように依頼を頼んだのは俺だ。」
「どういうことですか?」
「そのままの意味だが。グリシーヌには世話になったからな。山賊達とうまく逃げていることを願う。」
うそでしょ。
じゃあ、こいつが依頼しなきゃ私は命狙われなかったってこと?
「……あなたが山賊に依頼したから、散々な目にあったんですけど。」
そう言ってみたが、王子にはあまり効いていないようだった。
「今助けただろう。死ななかったんだから感謝しろ。」
こいつ……。殴るぞ。
構わずアデルは続ける。
「しかし……。よく似ているな。」
「?」
「グリシーヌに。」
反応に困ることを言わないでほしい。
「……。私、これから3日間生き延びなきゃいけないんですけど。」
「俺が何の対処もしていないと思っているのか。……今日からお前は俺の隣で寝てもらう。」
「えっ!?」
今なんて言った?隣……?
「俺の隣なら、何かあったときすぐに俺が助けられるだろう。身代わりになってもらった恩があるからな。」
私、彼氏いるんですけど……。
命の危機と、彼氏への一途さをかけた天秤が揺れ出した。




