油断
夜になり、貴族達がたくさん訪れる。
ヘレヨンは、そんな貴族達を取りまとめていて忙しそうだった。
主催者なのだから無理はない。
私もそばにあったワイングラスに口をつける。
渋くなくて飲みやすい。
元々はこういった社交的な場が苦手なタイプなのだが、彼氏の情報を得ないといけない以上そうは言ってられない。
誰から話しかけようか。
すると、
「ご一緒してもよろしいかしら?」
とんでもなく綺麗なお姉さんがそこにいた。
「!?」
誰!?
「あら、名を名乗っていませんでしたわ。ごめんなさいね。ロゼと言います。」
名前の通り髪の毛は美しいロゼ色で、動くたびにさらさらと舞う。
「夫の付き合いでここには来たのだけど、やっぱり落ち着かなくて。」
そうにこやかに話すロゼさんに思わずどきりとする。
綺麗な人だなあ…。
その後はしばらく、たわいもない世間話をした。
ロゼさんと私は、すっかり打ち解けていた。
あまりに打ち解けすぎて、情報収集をするタイミングを見失ってしまった。
ロゼさんと話しつつも情報収集のタイミングを見計らっていると、
「あら、ヴィオレさん。ドレスのリボンが外れかかっていますわ。」
「え!?本当ですか!?」
「本当よ。後ろが解けそうですわ。化粧室へ行きましょう。」
「はい!!」
2人で化粧室へと向かった。その先で。
「!!??」
何者かにタオルで口を塞がれる。
「嘘でしょ……。」
そしてだんだん、意識が遠のいていった。
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