王子を脅せその2
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「あなた、実は今の王様と女王の子じゃないんでしょ?」
「……なぜそういうことになるんだい。」
「『蛇と王様』という物語を知っていますか。」
(詳しくは11話目『蛇の王様』参照)
「あぁ。あの子供が読む昔話のことかな。それがどうしたんだい?」
「あの王様と恋に落ちた女性が蛇になってしまったという話。一見ただのおとぎ話ですが、実は裏ストーリーが込められているんです。」
そうして私は絵本を指さす。
「それぞれ、この物語のこの王様はヘレアン陛下、蛇は今の女王様とは違う、愛人関係にあった女性を暗喩しているんです。」
「……。」
私は畳み掛ける。
「裏ストーリーはこう。ヘレアン陛下、当時のヘレアン王子は現女王との結婚が決まっていたのにも関わらず、森で出会った庶民の女性と恋に落ち、関係を結んだ。ヘレアン陛下は元々女性関係が派手だったようですが、さすがに現女王との結婚が控えてる中でのその行動は大間違いだったようですね。結局その女性は王子の子を宿し、産んだけど存在がバレて殺された。」
「……少々唐突すぎるんじゃないかな。」
明らかにヘレヨンの眉間に皺が寄っていく。
「唐突だというならこの本もお見せしましょう。」
「なっ……!?」
私は『王国重罪人処罰リスト』を出した。
「ここへくる途中で拾ってきました。あなたは私に城へ着いてから、牢屋に好きに出入りさせてくださいましたよね。その時に見つけたんです。」
「えーと。ここのページだ。」
私は『王国重罪人処罰リスト』を開いた。
◯△年 ロゼ・シルベス
絞首刑
王への反逆
◯◯年 クリストフ・ドゥ・ナオン
: 火あぶり
王への反逆
:
:
◯◇年 フェリシア・ル・ボスケ
蛇毒
国家転覆の危機があるため
そして更に、『王国歴史年表』と照らし合わせてみる。
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◯×年 ヘレアン王子誕生
◯△年 ヘレアン王子 皇太子となる。
◯◇年 ヘレアン王子 臣下に降格。
◯⭐︎年 ヘレアン王 即位
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「見てください。ちょうどヘレアン王子が大臣クラスに降格した年と、フェリシア・ル・ボスケという女性が殺された年が一致しているんです。死因は蛇での毒殺。物語では蛇が登場する。本当に偶然の産物なのでしょうか。」
「!!??」
ヘレヨンは動揺する。
「それに、このリストに載っている犯罪者は皆、それまでに前科があるんです。でも、この女性だけはそれまではただの一般女性。本当にそれまでただの一般女性であったなら、「国家転覆の危機」などと記されるでしょうか。」
「……。待って。それじゃあ僕がその罪人の子だって根拠がないじゃないか。」
「……。ありますよ。ほら、あなたの生まれ年は?」
ヘレヨンは私にそう言われると、みるみる顔を真っ青にした。
「……◯◇年。」
「そうです。この女性が処刑され、現陛下が大臣クラスに落とされた。その年に生まれたのがあなたなんです。」
王子はガタガタと震え出す。食事に使う食器までもが振動で音を立てる。
「……!!嘘だ!!!こんなの!!!!嘘だ!!!」