ヘレヨン王子、陥落!?
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「……。な、何を望むのかい。」
王子は口を開いた。
「……。それは私の要求を飲むということでよろしいでしょうか。」
「はい。」
王子は完全に参った様子だった。震え止まってないし。
私は内心ガッツポーズをしつつも、平静を装って王子に言った。
「では、あなたには二つの条件を飲んでもらう。1つ目は、私を幽閉せず城での十分な交流を許すこと。男女関係なくよ。2つ目は、今ここで話を聞いてしまった人たちに危害を加えないこと。」
「……!?どうしてだい?もし言われたら許さないけど、「ここを出たい」とは言わないのかい!?それに、使用人なんて君には関係ないじゃないか!!」
「ヘレヨン。私はここを出て行ったりしないわ。あなたが心配だもの。それにもし、私がこの条件を提示しなかったら……。あなたは口封じとして使用人の方々を始末するでしょう。あなたと私2人の問題に、無関係な人を巻き込みたくないの。」
半分嘘。彼氏が心配だし、一刻も早くここを出たい。でも、そんなこと本人に言ったら間違いなく激昂してこの場で剣でもなんでも使って殺される。
今はあくまでヘレヨンの味方。という体でいないと。
「2人!?そうだね!そうだよね!僕たち2人の問題だよね!!」
2人、ということに反応して上機嫌になるヘレヨン。
「うん!分かった!!約束するよ!!!始末しないし、君を閉じ込めない!!」
遂にヘレヨンが折れた。
やった!!
「じゃあ決まりね。私もばら撒かないわ。」
『伊勢物語』作戦大成功!!
こうして、私は城内で人と自由に接する権利を手に入れたのだった。