王子を脅せ
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夕食の時間になった。
「本日もお疲れ様でした。ゆっくりとお食事をお取りください。」
使用人の方が私に話しかけてくださる。
「ようやく来たんだね。もう。遅いよ。今日なんてさー」
城に来て以来ヘレヨンの要望で毎日一緒に食べているのだが、いつも一方的に話しかけられるので黙っている。
でも、今日ばかりは会話をしてやろう。
そして私は口を開いた。そして大きな声で聞く。
「……。この国の年表、おかしなところがあるんです。」
ヘレヨンの目が丸くなる。そして、飲んでいたワインが重力に従っていく。
使用人の方々も何を言ってるのか分からなくて固まってる。ごめんね。
「……いきなり何を言い出すのかな。」
「これを見てください。」
私は、歴史年表を取り出す。
『王国歴史年表』
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◯×年 ヘレアン王子誕生
◯△年 ヘレアン王子 皇太子となる。
◯◇年 ヘレアン王子 臣下に降格。
◯⭐︎年 ヘレアン王 即位
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「ヘレアン陛下…あなたのお父様ですよね。訳あって今戦地に赴いているという…」
「……。」
「この年表によると、ヘレアン様は皇太子になった後、なぜか一度大臣クラスに下っているんです。」
ヘレヨンは黙ったままだ。
埒が開かないので私は直球で言う。
「あなた、実は今の王様と女王の子じゃないんでしょ?」