14/55
古典文学の恐怖
1日1つは更新します。
ランキング入りしました。ありがとうございます。
「こういう話だったのね。」
私は絵本を閉じると、天井を見つめた。
そして、同時に集めていた歴史書の類を開き始める。
そして歴史書と絵本を照らし合わせて、書類を作り始めた。
……あの王子、歴史のことも古典文学(昔話)のことも馬鹿にしたわ。喉も殴ってきたし。
思い出して怒りの気持ちが湧くが、それと同時に恐怖の気持ちも浮かんでくる。
人に殴られるってこんなに怖いんだ。
知らなかった。
「……傷は癒えても、心の痛みは続くのね。」
震えが止まらない。
本を持つ手も、さっきからずっと揺れている。
しかし、負けるわけにはいかない。
この身が綺麗なまま、彼氏と会うためにも。
私は自分に喝を入れるために、一言つぶやいた。
「見てなさい。次に震え上がるのはあいつの方よ。」
なんとか書類を作り終えると、私は図書館を後にして、夕食へ向かった。