表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/55

『蛇と王様』

1日1話は更新します。

ブクマや評価などしてくださると泣いて喜びます。

※劇中の昔話が終わるだけで、本編は全く終わりません。

そして私は、この国に伝わる「昔話」に手を伸ばした。



『蛇と王様』



昔々あるところに、1人の王様がまだ王子様だった頃。

王子は、とても戦争にも強く、賢い方でしたが、毎日退屈で退屈でしょうがありませんでした。


ある日、王子様は趣味の狩りをしに、家来たちと森へ出かけました。


「よし。鳥を撃ち落としたぞ。」


そう言って撃ち落とした鳥を拾いに行こうとしましたが、その先は崖の麓で、王子様は崖の下まで降りて取りに行くことにしました。


「お前たちはここで待っていろ。」


家来を置いていき、慎重に崖の麓に降りる王子様。

すると、降りた先には大変美しい女性がいたのです。

王様は思わず、一目惚れしてしまいました。


その女性はこの森に住んでいるらしく、それから王様は毎日女性に逢いに行きました。

そして、やがて王様はその女性と一緒に暮らしたいと考えるようになったのです。


「私と一緒に暮らさないか。城へ来ないか。」


「いえ…私はそのようなことは叶わぬ身。こうやってお逢いできるだけで充分ですわ。」


「なぜそのようなことを…。」


王子様は納得いきませんでした。そこで、王子様はある日、無理やり女性を城へ連れて行こうとしたのです。


「おやめください!おやめください!!」


「なぜ断るのだ!!あなたも私のことを愛しているのだろう?」


「愛していますが!どうか、おやめください!!」


しかし、拒む女性を無視して、王子は女性を抱き上げて城へと走っていきました。


するとどうでしょう。みるみる女性の顔が蛇のようになっていくではありませんか。

そして森を出る頃には、女性は完全に蛇の姿になってしまったのです。


王子は泣きながら女性の名を呼びましたが、ついぞ人間の姿になることはありませんでした。


きっとあれは蛇の精だったのでしょう。


『蛇と王様』おしまい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
先の展開が気になって読み進めてました。へレヨン、私が近頃読んだ作品では随一のゲスだと思いますが、手痛い報復期待してます。主人公がちゃんと理性を保っていることがすごいと思いました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ