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新たな依頼!サキュバス討伐へ!?

ギルドへ戻り、無事に報酬を受け取ったフィオナたち。


「ふふん、今回も楽勝だったわね!」


フィオナは金貨の袋を手にし、得意げに笑った。


「楽勝……だったんですかね?」


レイナが少し困った顔で呟くが、フィオナは気にしない。


「で、次の依頼は?」


フィオナがリリアナに尋ねると、彼女は少し神妙な顔になりながら答えた。


「実は……ある村からの緊急依頼が入っています」


「緊急依頼?」


「はい。最近、その村の近くの森に“サキュバス”が現れ、冒険者たちが次々と骨抜きにされてしまっているんです」


「サキュバス……!? ま、魔族じゃない!?」


ヴェロニカが驚いて声を上げる。


「ええ、正確には“下級魔族”の一種ですが、精神を操る能力が厄介で……送り込んだ男性冒険者たちが、みんなメロメロにされて戦えなくなってしまったんです」


「な、なんて恐ろしい……」


レイナが静かに呟く。


「じゃあ、なんで私たちが?」


フィオナが首をかしげると、リリアナは申し訳なさそうに微笑んだ。


「……女性のみのパーティーで、戦闘能力が高い冒険者が、あなたたちしかいなくて……」


「えっ?」


「つまり、私たちが適任ってことね!」


フィオナは自信満々に頷いた。


「ま、まあ、確かにサキュバスの魅了は男性にしか効かないものね……」


ヴェロニカも腕を組んで納得する。


「しかし、サキュバスってどんな戦い方をするんでしょう?」


レイナが疑問を口にすると、リリアナは少し気まずそうに咳払いをした。


「……その、色仕掛けが主な攻撃手段ですね」


「……え?」


「誘惑したり、甘い言葉で誘ったり……場合によっては……こう、密着したり……?」


「なっ!?」


フィオナの顔が一気に赤くなる。


「そ、そんなのズルいでしょ!? 戦いにお色気なんて持ち込むなんて、勇者として許せない!!」


「ええ、許せないわね!! ……ちょっと話を聞いてみたいけど!」


「お前ちょっと興味持ってるだろ!!」


フィオナの鋭いツッコミがヴェロニカに炸裂する。


「と、とにかく! サキュバスを討伐すればいいのね?」


「はい、報酬もかなりの高額になります」


リリアナが報酬額を提示すると、フィオナの目の色が変わる。


「行く!! これは行くしかない!!」


「……なんだか、お金に釣られてません?」


レイナが小さく呟くが、フィオナは気にしない。


「よし! 目的地は決まった! 次はサキュバス討伐よ!!」



ギルドで新たな依頼を受けたフィオナたちは、さっそく問題の村へ向かうことになった。


外に出ると、昼下がりの太陽が穏やかな光を降り注いでいる。町の門をくぐり、広がる草原の道を歩き出すと、爽やかな風がフィオナのポニーテールを揺らした。


「ふっふっふ……いよいよ私の活躍の時ね!」


フィオナは胸を張り、剣の柄を軽く叩く。


「サキュバスなんて相手じゃないわ! 何せこの私、最強勇者だもの!」


「いや、最強なのはレイナさんよね?」


ヴェロニカがすかさずツッコミを入れる。


「ちょっと!? 私はちゃんと勇者らしく戦ってるわよ!!」


「そうですか? この前の魔導兵器戦、剣がカンッて当たっただけでしたけど」


「うっ……! そ、それは……装甲が硬すぎただけよ!!」


フィオナはぷくっと頬を膨らませる。


「まあまあ、落ち着いてください」


レイナが苦笑しながら、穏やかな声でなだめる。


「それより、サキュバスってどんな敵なんでしょう?」


「ふむ……サキュバスは“男性を誘惑する魔族”として有名よ」


ヴェロニカは杖を軽く回しながら説明する。


「基本的に戦闘能力はそれほど高くないけど、精神を操る魔法が厄介なのよね。直接戦わずに相手を魅了して戦意を喪失させるの」


「つまり、男性なら戦う前に負けるってことか……」


レイナが真剣な表情で頷く。


「でも、私たちは女性だから大丈夫ですよね?」


「そのはずだけど……サキュバスの中には“女性でも誘惑できる”強力な個体もいるって話もあるわね」


「えええっ!? そんなのアリ!?」


フィオナが驚いて叫ぶ。


「ま、まあ、実際に戦ってみないと分からないわね……」


ヴェロニカが肩をすくめた。


「……ちょっと待って、ヴェロニカさん?」


レイナがふと疑問を口にする。


「あなた、魔族の知識が妙に詳しいですね」


「えっ!? そ、そりゃあ、魔女として当然の知識よ!!」


ヴェロニカは慌てて取り繕うが、どこか目が泳いでいる。


「まあいいわ、とにかく先を急ぎましょう!」


フィオナは話を切り上げ、勢いよく歩き出した。



しばらく道を進むと、周囲の雰囲気が少しずつ変わっていった。


空気が妙に甘く、鼻をくすぐるような香りが漂っている。どこからともなく、柔らかな笑い声が風に乗って聞こえてくるような気がした。


「……なんか、この辺り、空気が違わない?」


フィオナが立ち止まり、辺りを見回す。


「確かに……少しふわふわする感じがしますね」


レイナがそっと胸元を押さえる。


「これは……サキュバスの魔力ね」


ヴェロニカが鋭い表情になる。


「この香り、恐らく村全体が“魅了”の影響を受けているわ」


「ええっ!? もう村まで届いてるの!?」


「ええ、それくらい強力ってことよ」


ヴェロニカが眉をひそめる。


「正直、あまり長くいると危険ね。普通の人間なら、すぐに理性を失ってしまうわ」


「なるほど……」


レイナは冷静に状況を整理する。


「つまり、ここから先は誘惑に負けないように注意しながら進まないといけないってことですね」


「そういうこと!」


フィオナが拳を握りしめた。


「よーし、気合い入れていくわよ!! 私は誘惑なんかに絶対負けない!!」


「そうね! まあ、私たちなら大丈夫でしょう!」


ヴェロニカも胸を張る。


「でもヴェロニカさん、さっきからちょっと顔が赤いですよ?」


「なっ!? そ、そんなことないわ!!」


「ヴェロニカさんが一番危なそうですね……」


レイナが静かに呟く。


こうして、サキュバスの支配する村へと、勇者たちの足が進んでいった――。







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