─時空水平線─
今日も人知れず夜が明け
悲しみに濡れた朝靄
まだ夢の中彷徨うように見てた
昨日まで輝いていた星は
流れ星になって消えた
小さな瞬きを残して
闇にひしめき合うように蠢く何か
夜空の星たちはこんなにも美しいのに
その姿は消える真際の刹那の輝き
永遠にも想える時間を残して
闇を超えて
ようやく私たちは知る
この宇宙に生きて
誰かを抱きしめたい
遠く──
星と星との距離
やがて空は白み──夜が消えて朝が生まれる
誰かの告げる鐘の音
鳥たちはもう目覚めている
夢の中でさがしてた本当の自分
まるで翼を背中から生やして空を飛ぶ
なりたかったはずの本当の自分
昨日の夜空に消えてしまった星のような惑星
宇宙の中に、心の中に、ふたり……ふらり
誰かと探しあう
呼び合っても……
この暗闇は──宇宙は広すぎて
離れすぎた星と星との距離
なりたかったはずの私は
あなたを探して
昨日言った言葉の嘘は夢の中へ
私が生まれ変わる今日の朝
流れ星は消えてしまったから──
今、この地上に生きるあなたの輝きが
まるで私がこの世に生まれて来た時の光のように
愛おしくて
時を超えて言葉を交わす
新しい物語が始まる
あなたのそばに──水平線