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心の扉

作者: 散歩

最初は壁などなかった。

何も無かった。

けれど、いつの頃からか、扉をつけることを学んだ。

信頼している人にしか教えないノックを叩けば全開で、あまり知らない人が遠慮がちに叩いたらドアチェーンをかけたまま話した。

けれど、いつからか、信頼している人にしか教えていないはずのノックを知らない人が叩くようになった。

全開になった時にはもう遅く、相手はニヤリと笑いながら中の様子を周りに話す。

それで傷ついて、薄い薄い壁を張った。

声が届くように。

外に出たいと思った時に割れるように。


そんなこと気にもせず、私を嘲笑った人達は、相も変わらず外で話す。

全部聞こえているのに。

友人の声は聞こえないのにその人の声ばかりが頭を響かせる。


聞きたくないと、耳を塞いでも聞こえてくる嘲笑。

それが嫌で、薄い壁を何枚も何枚も重ねた。

いつの間にかその壁はとても分厚いものになった。

誰の声も届かないはずなのに。

外からの嘲笑は、壁によって薄暗くなった私のここに、ぼわんと響く。

壁が厚くなるほど、他の人の声は聞こえなくなる。

嘲笑の声は大きくなるのに。


耳を塞げど聞こえてきてしまう。 どうして私ばかり?


ああ、扉にインターホンとかそういうのつけておけば良かった。

もう壁は私ですら壊せない壁になってしまった。

高くなりすぎて、もう1番上がみえないや。

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