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【完結済み】世界のためなら何度でも 〜Desteny〜  作者: 社長
第六章、荒れる神ビーカ
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D-61 ウリエル

原初の5色魔術。


人間が初めて生み出した黒い光。


そして次に生み出された白い光。


そこから改良された赤、青、緑の光。


それらが全ての魔術の元となる光となった。



赤には自然現象を用いた『属性』が。


青には異界の扉を開く『召喚』が。


緑には生活を豊かにする『便利』が。


白には傷ついた人々を治す『癒し』が。


そして黒には生物を殺す『破壊』が。


そしてそれぞれの光が魔術師によって改良され、5色の魔術と呼ばれるようになったのだ。






『我々の生まれた時代は今ほどではないがひどいものだった。人間が光を見つけ、その影響で黒魔術が軍事利用され、住処を失った魔物たちはその光を人間よりも扱えるよう進化していった。中でも神や天使は魔術を人間よりも早く習得し、人間を手中に収めた。』


ビーカは器から這い出る。


ブヨブヨと体が人間のよう、いや天使のような形になって行く。


『しかし人間にはそれをよく思わないものもいた。その結果何体かの天使たちは人間によって引き摺り下ろされ、魔術の更なる発展のためと体中をいじられた。』


ビーカの背中から液体ではない綺麗な羽がばさっと生える。


『我は元は天使だった。名をウリエルと、今や神につけられし名を剥奪され荒れる日々を送っているがな。』


ビーカの体がまた元の液体のような形になり、器の中へと戻って行く。


「………。」


天之川は黙り込んだままだ。


『翔よ、貴様にわかるか?体中に謎の液体を混ぜられ、部位ごとにゆっくりと時間をかけて液体化していく恐怖を、痛みを!!!!薬で脳がダメになり、液体となった自分の体を人間どもにすすられる日々の苦しみが貴様にわかるか!!!!翼はもいで剥製にされ、天輪はすり潰され、眼球を飾りにされた。この体には絶え間なく痛みに蝕まれているというのに人間は知らない顔して我の体をすすり、効果がないと分かると海に流された!!貴様らの力のために、何体もの同胞が殺されたのだ!!!!』


神器クラミラールがビーカの怒りに応えるように変形して行く。


『だがこの痛みを、苦しみを貴様らに味合わせるために我は新たな魔術を生み出した。黒魔術で体を崩壊させ、白魔術で瞬時に直せば何が残ると思う?痛みだ、相手に痛みだけを食らわせることができる、これこそが我の最高傑作、【黒白カオス魔術マジック】だ!!』


変形したクラミラールは白色と黒色が螺旋状に渦巻いた杖となった。


『さぁ第二ラウンドだ、翔。ここからは時間干渉能力も使わせてもらうよ。』


ビーカは天之川に杖の先を向ける。


『ここからは荒れるぞ。』


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