D-4 女装男子最高
「君と言うやつは!!君と言うやつはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ちょっ、いてぇいてぇ!!殴るのをやめろや!!」
「君が泣くまで殴るのをやめなぃぃぃぃぃ!!!!!」
「そのセリフやめろ!!」
その様子を見ていたアレイスターが少女を止める。
「聖夜くん。それは流石に彼も可哀想だよ。」
「え、彼?」
「わからないかい?彼は300年後、君と出会っていた『天之川翔』君だよ。」
え?
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」
「まぁ聖夜の反応も無理ないか。こんなかっこだし。」
そう言って天之川(?)は長い髪の毛をくるくると指でかき回す。
どう見ても女にしか見えない。
「彼とはこの世界にきてすでにあっていたんですよ。」
「そう、その時に聖夜が初代神王の所に行かずに僕らと出あったら一緒に旅をしようと思ってたのさ。」
「それはいいけどさ、なんで300年前の天之川が未来のことを記憶してんだよ。」
「聖夜、僕のことは翔ちゃんって呼んでね♡。」
「……その女の格好してることもだ、天之川」
天之川はいじけながら俺に説明した。
「この時代は300年後、暗黒時代と呼ばれる時代。世界神ニヒトの実験の失敗によって大気中の魔力濃度は100倍に、生物は魔力をより多く吸収しようと進化を遂げていった。このままだとその世界の生物の重さ、つまりポイントが高くなって世界が自ら崩壊を起こす。そうなればニヒトは世界神としての仕事を奪われてしまう、そこで今から約100年後にこの世界にいる生物を全て抹消し、一から新たな世界を作り出そうとした。そしてその抹消は起き、僕を含めて全ての生物がデリートされるはずだった。でも何故か僕は生きていた、理由はわからないけど《特異点の存在》って言う存在になったらしいんだ。特異点の存在は時間の変動を受けない神王の力の片鱗を引き継いでいるらしくて時間が戻ろうが進もうが死ぬまで記憶が引き継がれるようになったらしい。ちなみに僕が女の子の格好してるのは趣味だよ。」
「随分と壮大ですね。」
「まぁ特異点の存在ってのはついさっき聞いたんだ。」
「聞いた?誰にだよ。」
天之川は一拍置いてつぶやいた。
「聖夜のお母さん。」