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国譲りの顛末  作者:
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ゲーム設定と登場人物紹介

ネタバレ満載なので、本編読了後にお読みください。

なおキャラクターの年齢はゲーム開始時のものなので、本編時ではプラス一歳されます。

*乙女ゲーム『朧月夜の出逢い』

 平安時代を舞台にしたR15指定乙女ゲーム。

 ヒロインは中納言家の一人娘で、16歳の春から宮中女房として働くことになる。本来の勤め先は、右大臣の娘である女御の住まう登華殿(とうかでん)だが、攻略対象に誰を選ぶかで勤め先が変わることがある。

 攻略対象は、タイトル通り朧月夜に逢瀬を持ってしまった相手で、彼が残した手がかり(扇や歌、横笛、香袋などそれぞれ違う)により素性をつきとめるところからゲームが始まる。オープニングの雰囲気としては『源氏物語』花宴のイメージ。

 逆ハールートも存在し、隠しキャラを含めた全攻略対象のベストエンド(別名正妻エンド)をクリアしなければ出現しないルートである。また、隠しキャラがラスボスとなり攻略できない仕様となるので、厳密には逆ハーとは言えない内容である。


*帝(19)

 ゲームのメインヒーロー……だったのだが、立場と設定上、他に多くの妃がいることと、面食いで女好きの傲慢キャラの割に能力スペックはさほど突き抜けているわけでもないという半端すぎる造形だったために、プレイヤーにあまり支持されず仕舞いで、そこそこの人気に留まってしまった不憫な御方。

 容姿は正統派美形ではあるのだが、似た顔立ちに加えスペックでは遥か上を行く弟と叔父に、あっさりと人気をさらわれる結果となった。一応、「至高の地位の割に比較的とっつきやすいキャラ」を狙ったらしいが、わざわざ平安設定のゲームを選んでプレイする乙女が、帝に求める造形はそれではなかった模様。

 彼の残す手がかりは、見事な絵(本人御製)の描かれた扇。彼を攻略する場合、本編同様に帝付き女房兼寵姫として後涼殿に住むことになる。彼のルートにのみ妊娠を疑うイベントがあり(好感度最高でのみ発生する、ベストエンド確定イベント)、それに伴って悪役からの攻撃が激化し、断罪へと繋がる。本編でのヒロイン(の中の人)の場合は、ベストエンド確定を狙った嘘。「可能性はゼロじゃないし!」で突っ走った結果、見事に自爆した。

 帝は本編でもほぼゲームそのままのキャラだが、思慮深さはゲームの方が数段上。ヒロインの中の人のせいで腑抜けてしまったらしい。加えて、一目惚れした姫君にはフラれ、某ヤンデレのせいで子供の作れない体にもされてしまった、実はかなりの被害者であるが、退位後は純粋に慕ってくれている妃と二人、平穏な余生を送るので、全くの不幸には終わらなかった。……『真相』を書いていて、もっと痛い目に遭わせてもよかったかも、という気になったのは秘密。


*承香殿の女御(20)

 左大臣家長女。京一の美女と名高い、整いすぎて冷たい印象を与えてしまう美貌の持ち主。帝の最初の妃であり、付き合いも一番長い。ヒロインさえ現れなければ、中宮の座に最も近い女性だった。

 ゲームでは帝ルートのメイン悪役。身分と血筋を笠に着て、わかりやすくヒロインを見下し貶めるキャラ。ゲームでも、彼女に限らず他の妃たちにも子はいなかった。

 本編では見た目に反し、自分に厳しく他人(家族含む)に優しい、穏やかで控えめな性格。妹と中身を入れ換えた方がしっくり来ると思われる。入内前に家族とお出かけした別荘で、偶然中務の宮に姿を見られてしまい、ついでに言葉を交わす機会があった。その時にお互い一目惚れしていたりする。


*東宮(17)

 帝の同母弟。

 その全てを兼ね備えたスペックと、兄や叔父と違い、愛する女性ただ一人を妃に望む姿勢から、プレイヤーに絶大な支持を得た実質的メインヒーロー。

 彼が残す手がかりは愛用の横笛。彼のルートを選んだ場合、東宮付き女房として梨壺に引き抜かれる。

 本編では既に姫君という最愛の女性がいたので、ヒロインは面識の有無以前に興味も何も抱かれなかった。人を見る目と観察眼は折り紙付きであり、能力はあっても野心のない妻(確定)のことはしっかり観察して把握済み。彼女についてはその性質や腹黒さも全部引っくるめて愛している、器が無駄に広い人。でも兄の気の多さは立場を考慮しても許容しがたいというあたり、器の広さは対姫君限定なのかもしれない。


*尚侍/姫君(16)

 頭脳明晰容姿端麗、身分家柄も左大臣の次女と申し分なく、悪いのは性格だけという、最強の平安時代版悪役令嬢。

 結末にある通り、皇子を産んでめでたく東宮妃→女御→中宮という王道ルートで女の栄華を極める。後宮におけるライバル不在ということもあり、夫とは死ぬまで相思相愛の仲。男女それぞれ二人ずつくらいは最低でも産みそう。

 とにかくハイスペックな姫様なので、その有能さを武器に夫ともどもかなり長いこと国の頂点に君臨する……と見せかけて、実は平穏な日常を愛する人でもあるため、両親似で有能に育った長男にさっさと帝位を譲った夫と、仙洞御所でのんびりいちゃいちゃ余生を過ごすような気がする。

 乙女ゲームにおいては、主に帝ルートと東宮ルートで登場してヒロインを妨害する。前者では姉のサポート、後者はメイン悪役を務め、姉とまとめて『悪役姉妹』と呼ばれる。どっちにしろその頭脳を駆使してかなりえげつないことをやらかし、なおかつ証拠はほとんど残さない。その気になれば人を自在に操れるだけの手腕の持ち主なので、東宮ルートで彼女を追い詰める場合、ミニ探偵ゲームをいくつもクリアしなくてはならず、難易度が高め。暗躍しまくりのキャラということで、ゲームでははっきり顔が出ることはなく、美人姉妹という設定が存在するのみだった(単なる手抜きか容量不足という説あり)。

 本編では姉妹ともどもヒロインに不干渉だったせいで、業を煮やした中の人がパターン通りにあれこれ捏造した結果、ああなってしまった。


*中務の宮(25)

 亡き先帝の異母弟にして、帝と東宮の叔父。

 甥二人と似通った顔立ちながら線は細く、物腰穏やかなフェミニストで、年上の魅力とフェロモンたっぷりな色恋沙汰のスペシャリスト。こんな25歳がいるか!とお姉様プレイヤーからは総突っ込みが入ったが、時代が時代なので許していただきたい。満年齢だと24歳だけど。

 オープニングで残す手がかりは香袋。勤め先に変化はないが、彼はとにかく宮中女房に大人気なので、ルートに入ると同僚も含めた同性との人間関係が針のむしろ状態と化す。その分、ベストエンドもグッドエンド(恋人付き合い継続)も群を抜く甘々仕様で、そこに至るまでの苦労を帳消しにして余りあるレベルと大好評を得た。

 本編では上の甥の退位後にしっかり外堀を埋め、まんまと愛する女性をゲットした抜け目ない男。


*右大将(22)

 左大臣家の嫡男であり、承香殿の女御と尚侍の同母兄。

 見た目も中身も冷静沈着ながら、下の妹と同等以上の腹黒さを誇る男。時代が違えば間違いなく腹黒眼鏡キャラだった。

 意外とフットワークの軽いキャラなので、ルートでは妹たちのみならず他の攻略対象との交流も描かれ、キャラ推しとは別にシナリオそのものの人気が高かった。なお、公式で左大臣家と疎遠な帝との交流はかなり少なく、ここでも微妙な立ち位置だった。

 彼につながる手がかりは和歌。歌の出来もさることながら、その見事な筆跡で素性があっさりバレる。彼ルートでの勤務先は承香殿に移る。


*斎宮(21)

 中務の宮の同母妹で、ゲームでも本編中でもほぼ伊勢にいて出番はない。せいぜい中務の宮ルートで存在を匂わされる程度。

 同母兄と同じく茶目っ気に溢れた女性で、斎宮に選ばれていなければ帝か東宮への入内を期待されていた程度には美人で聡明。なお本人も兄宮もそんな気は皆無だった。

 承香殿の女御とは仲の良い友人で、彼女や兄宮との関わりから、右大将とは昔から交流の絶えない関係。基本的に帝の代替わりでしか斎宮の交替はないため、彼女しか眼中にない嫡男を結婚させるべく、左大臣が帝退位のシナリオを描いたという説あり。


*三位の中将(18)

 右大臣の嫡男で、帝と東宮の母方の従兄弟。登華殿の女御の弟。

 文武どちらかで言えば武を得意とするキャラで、比較的裏表のない爽やかかつフランクなキャラ。ヒロインには面倒見のいいお兄ちゃん的態度で接してくる。

 彼の残す手がかりは、声。際立った美声という設定であり、ルート選択後すぐに、姉を訪ねて登華殿に来た時の第一声で即正体が判明する。担当声優もスタッフのこだわりで厳選され、声フェチプレイヤーの心をがっちり掴むシナリオ構成であった。

 ちなみに両大臣の嫡男ルートは、それぞれの姉妹に認めてもらえなければベストエンドにはたどり着けないため、彼女たちを対象とする隠しパラにも注意する必要がある。


*安倍泰昭(16)

 ヒロインの実家の近所に住む、幼馴染みの陰陽師。唯一個人名が明かされるキャラである。

 ゲームではお助けキャラ兼隠しキャラ(逆ハールートのみラスボス)。他キャラのバッドエンド(仕事を首になり実家に帰らされる)を一度でも見ればルートが解放される。

 彼の場合は手がかりは残さず、むしろ朝まで一緒にいるので、開始早々に寝顔を見ることになる(スチルあり)。

 シナリオ展開としては、美人の女房ということで評判になったヒロインに攻略対象者が次々に声をかけてくる、ほぼ逆ハールートのような内容。そんなモテモテのヒロインに、多方面からの嫉妬による嫌がらせやら呪詛やら刺客やらが振りかかってくるのを、泰昭と協力して対処していくのがメインとなる。他ルートでの悪役キャラをまとめて断罪できるベストエンドは、かなり上手く立ち回らなければ辿り着けない高難易度だが、その達成感は格別で、右大将ルートと同様、泰昭本人と同じかそれ以上にシナリオ自体が人気を博するルートとなった。なおバッドエンドは、嫉妬にさらされ続けて心が折れたヒロインを、泰昭が保護と療養の名目で監禁するというオチ。……どこかで聞いたような?

 本編では一族お取り潰しになっても全くおかしくないことを帝に対してやらかしておきながら、一切後悔していない強者。むしろ綾子と過ごした夜の記憶を根こそぎ消してやりたいとか、綾子に触った両手を切り落としてやりたいとか思っているかもしれない。妻との平穏な生活が大事なので実行はしないけど。

 因果応報で自分も子孫を残せない体になる恐れもそれなりにあると思っているが、綾子さえいれば子供ができなくても全く構わないので、それはそれで別にいいやと考えている。「いざとなれば兄弟の子供を養子にすればいいしね」(本人談)

 ヒロインの中の人は、中身が別人であることに真っ先に気づかれそうだということと、何よりヤンデレは全然好みではないので、泰昭にはあえて近づかないようにしていた。

 ちなみに泰昭の呪いは中の人が憑依して間もなく、ゲーム開始から数ヶ月前のタイミングでかけられた。本編からは一年半ほど前の話で、それ以前には何の関与もしていないため、帝は元から生殖能力が高くなかった可能性については否定できない。


*逆ハールート

 一方、本来の逆ハールートは、ヒロインの人気ぶりに限界を突破してヤンデレを発症した泰昭が、手段を選ばず拉致監禁に至ろうとするので、他の攻略対象者全員に守られつつ泰昭(ラスボス)を止める方法を探すシナリオである。

 有能極まるお助けキャラの陰陽師がラスボスと化す上、ヒロインを追い込むために他の悪役たちと連携してきやがる鬼畜仕様で、エンドの種類どうこうの前に、隙あらば監禁バッドエンドという罠に如何に陥らずに話を進められるかという点が最大の問題。ただ、通好みのプレイヤーの中には、自分から嬉々として監禁エンドに突き進む者もいたとかいなかったとか。

 ベストエンドは、ヒロインは姫君に代わって尚侍となり、泰昭以外の攻略対象者たちから末永く熱烈に愛され続けるというもの。……まあ、夫ある女性を寵愛した天皇とか、時代は下るけど後深草院二条みたいな例もあるので、世間的に歓迎はされないけど完全に有り得なくはない境遇かな、と。

個人的にプレイしたいルートは、右大将と三位中将と隠しルートです。特に右大将はデレさせたら楽しそう。それまでが大変そうな気がするけど。

三位の中将の声は、是非お好きな声優さんを当てはめてくださいませ。


なお、各ルートをベストエンドの難易度順に並べると、

逆ハー>>隠し>東宮>帝≧中務の宮>右大将>三位の中将

かな?

ベストエンドにこだわらなければ、三位の中将ルートはチュートリアル感覚で楽にクリアできそう。むしろバッドエンドを狙う方が難しいかもしれない。

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