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私に語りかけた少女の声はとても綺麗で透明性があった。私はというと急な展開の連続であっけにとらていて茫然と立ち尽くしていた。
「おや?自称魔王と聞いていたのでそうお呼びしたのですが…。名前で呼んだ方がよかったですか?高責綾乃さん」
そう言われハッと我に返る私。
「違う!呼び方の問題じゃね!!聞きたいことは山ほどあるが、そうだな…えっ~と…。そう!まず貴様は何者なんだ!!」
私はビシッと指をさして声を荒げて言った。その私の物言いを見て汚物は怒り言う。
「しゅー!?僕らのご主人様になんたる言い草でしゅか!!!いくら契約者だとしても許されないでしゅよ!!」
「あぁ!?ご主人だ!?知るか!んなもん!!」
私と汚物でギャアギャア言い合う。そんな様子を見てクスッと笑う白い少女もとい汚物のご主人様。
「いいえ、いいのですよ。ウル。確かに彼女高責綾乃さんの言う通りです」
「しゅ!??」
「なんだよ、物分かりいいじゃねぇか」
そう少女が答えびっくりする汚物と素直さに頷く私。っていうかウルって多分この汚物の名前だよな…?
「私はこの星の者ではありません。私の名はアトリス。ウルを始めとる使い魔達の主人になります」
そういって、アトリスと名乗る白い髪の少女はペコリと頭を下げた。私はそれを見て胸の前で腕を組み言った。
「そんでアトリスさんとやら。なぜ変身が解けた理由はわかるのか?」
アトリスはゆっくりと頭を上げ、無機質な瞳でこちらを見つめて話す。
「はい、あくまで憶測にしかなりませんが、変身が解けたというより変身状態が維持出来なくなったのだと考えられます」
そう言われて、私はポカンとする。
「あ?どういうことだ??維持が出来なくなったって?」
アトリスは「はい」と返事して、言葉を続ける。
「高責綾乃さんの放出している魔力に、契約状態の服【魔装】が許容量が溢れ耐えきれず破裂してしまったのだと。それで変身が強制的に解除されたと考えられます」
あまりにも衝撃的なことを言われ、思考がフリーズする私。え?なに?早い話、私の魔力に耐えきれず服が爆発したってこと?ん??
アトリスは私のその様子に構わずさらに爆弾発言を言った。
「おそらく、変身状態を維持できる時間は三分。魔力を全解放すれば数十秒しか持たないでしょう」
「は?」
フリーズ。思考がフリーズ。体が固まる私。おい、汚物ことウルとやらも一緒に固まってんじゃねぇか。
私はどうやら時間制限つきの魔法少女になったらしい。