うまい話にはウラがある
人々は、危機的状況下に現れたその農薬に、祈りが通じたのだ!神の奇跡!神からの恵みだ!と、もてはやし心酔していたんだ。
研究者どもの使い過ぎてはいけないとの、警告を散々無視してな。
だから、最初の異常を気にも留めなかったんだろうな。近所の野良猫が姿を見せなくなっただとか、仕事の帰路で聞こえていた虫の鳴き声が静かになっていたなんて。噂話程度にしかならなかった。
そんな些細な事よりも、人々は、奇跡の農薬がもたらす恩恵に歓喜し、さらに使用量を増やしていったんだ。
この頃一つの事件が起きていた、危機感を感じ研究者達が、強制的に使用を禁止し農薬の製造を停止しようとした。良識ある国は警告に耳を傾けて、この時点で使用の制限をかけ始めたらしいが…がしかし、この農薬に、大金を投資した、一部の大国が、利益を占領しようとする陰謀だとか、でこの科学者達を拘束しちまった。
それどころか、大金を積まれたのか、脅されのか知らないが、開発に携わっていた一部の研究者どもが、この農薬の製造方法を自国の利益しか考えて無いような国に漏らしちまったわけだ。
それからは、歯止めなんて効かない。大国で一大事業としてその農薬は制限なく世界各地にばら撒かれ。使用量は、一気に跳ね上がったわけだな。
それと同時に、使用量の増加と比例して、異変、問題が世界各地で起き始めた。
渡り鳥が今年は姿を見せないとか、漁獲量が急速に減少しただとか、家畜が謎の死でどんどん死んでいく。ペットの突然死。なんてな、数えきれないくらいの問題が一気に発生だ!世界は、再び大混乱よ。
そんでやっと、アホな人間どもも、奇跡への心酔から目が覚めたんだろうな。
問題の発生と同時に使われて大量に使われ始めた、農薬に全世界の注目、疑惑の目が集まったわけだ。
拘束されていた研究者達は、解放され。
この農薬についての、詳しい説明がなされた。
この農薬が発表された当初は、研究者達は農薬については、重大な機密事項だととかで。詳細を決して語ろとし無かっただが。
状況が状況だしな、各国の偉いさんからの圧力がも有ったんだろ。
世界各国に向けて、皮肉にも大歓声出迎えられた農薬開発成功の発表、当初のような大々的な注目度で、注意喚起と詳細説明がなされた。
まぁ、違いは人々の感情が真逆だってことだ。