まじめに考えてはいけない、これ夢だから
作者が夢でみたヘンテコな世界を
残してみたくて
それは、化学が進んだ
少し先の、変わってしまった未来。
ある日、画期的な農薬の開発に成功したとの報道に、
世界中の人々が歓喜した。
その時代、世界は急激な人口の増加により、食料問題に悩まされていた。他にも環境汚染の問題など、様々な問題は有ったが、緊急を要したのは食料の問題であった。
人々は、限りある食料を巡り、にらみ合い、
あわや核兵器による第三次世界大戦勃発も間近に迫るような状況の中、世界中の優秀な研究者達が集まって、問題の解決案を寝る間も惜しみ模索していた。
それから数ヶ月、人々がこれからの運命を神に祈り、
世界の終わりを告げる自称予言者が現れたり、世界が混乱を極めいた頃。
最後の期待と、希望を託された
集まった研究者達の代表により発表されたのは
以下の内容だった。
なんでも、大々的に発表された内容は、
曰く、その農薬〔化学部質〕は、人体には一切の無害である。
曰く、その農薬を投与された植物は、健康に育ち。植物特有の病気にもかからず、沢山の実りをもたらす。
曰く、その農薬を投与された植物は、従来の手間がかからない、水と農薬と太陽光を与えるだけ、どの様な環境下でも育つ。
曰く、その農薬は、環境汚染を一切しない。安全で衛生的である。
曰く、その農薬は、大切な食料を害虫、害獣から、必ず守り抜く。